ハード・ラッシュ

ハード・ラッシュ “Contraband”

監督:バルタザール・コルマウクル

出演:マーク・ウォルバーグ、ケイト・ベッキンセール、ベン・フォスター、
   ジョヴァンニ・リビージ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、
   J・K・シモンズ、ルーカス・ハース、ディエゴ・ルナ、
   デヴィッド・オハラ、ウィリアム・ラッキング、
   オラフル・ダッリ・オラフソン、コナー・ヒル、ロバート・ウォルバーグ、
   ジャクリーヌ・フレミング、ブライス・マクダニエル

評価:★★★




 おそらく二十歳前後だろう。町の密売人と組んだ青年が、コカインの密輸に失敗する。当然のように密売人に脅される。共犯の友人は殺される。70万ドルの弁償を要求される。そのピンチを救うのが、姉のダンナである主人公だ。男はパナマからニセ札の密輸に挑む。果たして計画は成功するだろうか。

 …というプロットはもろB級映画だ。思うにB級映画で最も大切なのはまず、作り手がB級であることを自覚しているか否かだ。思い切り背伸びしたところで、B級がA級になることはない。それが哀しいところであり、可愛らしいところでもある。賢い作家は無理に気取ることなく、B級ならではの愛敬で勝負する。B級を狙い過ぎると、ただ下品になるだけなのも知っている。『ハード・ラッシュ』は所々で脱線事故を起こしながら、それでも何とか愉快なB級に踏み止まる。

 作り手のB級映画への理解は配役から分かる。マーク・ウォルバーグは不思議な男で、一流の大作にもB級の小品にも難なくハマる。ミュージシャン出身という経歴が影響しているのだろうか、リズミカルな筋肉が意外なほど器用さを見せる。ウォルバーグが演じるのは元最強の運び屋で、今は防犯警備会社で働いている。スーツがまるで似合わないことを自覚したウォルバーグは、Tシャツとジーンズというシンプル過ぎるスタイルで勝負。小回りを効かせながら、テンポ良くアクションに突き進む。脇を固めるキャストもクセモノで固められているのが嬉しい。

 小さなサスペンスが畳み掛けられる。密輸のためのトリセツ的な側面を軸に置いた展開の最中、サスペンスが間延びを避けながら挿入されていく。コンテナ船の港への衝突。ニセ札の質をめぐる攻防。装甲車の強盗。警察との銃撃戦。釣り上げられたコンテナからの落下。視覚効果は最小限に、体技とスタント、編集の技が駆使されるのが好もしい。

 物語が単純であることは間違いない。ただ、予測通りの展開は避けられる。観客に読まれないようにしようと、意表を突いた方向に進んでいく。強引に思えるところも多いものの、その無理矢理な感じがファンキーだ。頑張りが微笑ましいと言うか。人物関係のどんでん返しや密輸法のはったりも、同じように楽しくB級風味。

 ウォルバーグの妻を演じるケイト・ベッキンセールの動かし方は大いに勿体無い。ほとんど何も用をなさない。終幕など「被害者」として横たわって終わり。弟を救うためにダンナをさり気なくコントロールする女だ。もっとビッチに動いても良いだろう。いや、動くべきだ。敵に一方的にやられるだけだなんて、いつの時代のヒロインだ。





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