ローマでアモーレ

ローマでアモーレ “To Rome with Love”

監督・出演:ウッディ・アレン

出演:アレック・ボールドウィン、ロベルト・ベニーニ、ペネロペ・クルス、
   ジュディ・デイヴィス、ジェシー・アイゼンバーグ、グレタ・ゲルウィグ、
   エレン・ペイジ、アントニオ・アルバネーゼ、ファビオ・アルミリアート、
   アレッサンドラ・マストロナルディ、オルネラ・ムーティ、
   アリソン・ピル、フラヴィオ・パレンティ、
   リッカルド・スカマルチョ、アレッサンドロ・ティベリ

評価:★★★




 ヨーロッパで映画を撮るのがすっかり当たり前になったウッディ・アレン。もしかしてルーレットで場所を選んでいるのか。英国、スペイン、フランスを経て、今度はイタリアと来た。『ローマでアモーレ』というタイトル通り、ローマを舞台に愛を語る。それも四つの物語を用意。6年ぶりに役者として顔まで見せる大サーヴィス。

 舞台となる都市への愛情と敬意が溢れ出るのはいつものことだけれど、今回はやけにそれが色濃い。ミケランジェロ・ブオナローティによるカンピドリオ広場。何度も映画で取り上げられているトレヴィの泉。散策スポットとして知られるトラステヴェレ地区。歴史を感じずにはいられないクインティーリ荘。ローマ人の憩いの場らしいボルゲーゼ公園。船の噴水がシンボルになったスペイン広場。…そのまま観光ガイドになりそうな名所が次々登場。そこにオペラまで加わるのだから、どうだマイッたか!

 どうやらアレンは、イタリアの陽気に魅せられたらしい。街そのものが発するオレンジ色の開放感が、アレンの笑いをいつも以上に湿度の低い、カラッとしたものに仕立て上げる。これ、実はアレンが長年に渡って愛される理由でもあると思う。毒づいても、暗い方向に向かっても、絶望に打ちのめされても、妙にヌケが良い。その点でこの映画、とてもアレン的だ。

 四つの物語のそれぞれ、アレンの分身が出てくる。突然有名人になりパパラッチに追いかけられる会社員。新婚旅行中にコールガールと関係する青年。恋人の親友に恋してしまう新米建築家。娘の結婚相手の父親の「シャワー中」の歌声に名声の匂いを嗅ぎ取る引退した音楽家。最後の人物はアレン自身が演じている。どいつもこいつもジェスチャーが大きく、早口で喋る喋る。皆それぞれに「適度に」鬱陶しい。でもやっぱり、アレン本人がいちばんしっくり来る。

 しかし、最も面白い登場人物はアレック・ボールドウィンが演じる。ジェシー・アイゼンバーグ演じる建築家青年にアドヴァイスするオッサン役。出会いこそ普通だったのに、神出鬼没にいつでもどこでも現れるのが可笑しい。ボールドウィンもすっかりオヤジ体型が板について、タヌキのようにすっ呆けながら助言の洪水。本当に彼は実在しているのか…なんて疑問が沸いてくるものの、まあ、どっちでもいいかと呑気な気分を誘う。

 そのボールドウィンのキャラクターに象徴されるように、どのエピソードも夢の中の出来事にも見えてくる。ローマという街がそこで生きる人々に悪戯を仕掛けて笑っているような…。そして笑っているだけで、何もない。でもそれで良いじゃないかとアレンも楽しそうだ。自己満足でも、だから何?

 近年のアレンの傑作「ミッドナイト・イン・パリ」(11年)と比較すると、ファンタジーの先に何もないのはつまらない。シャワー男の件など悪乗りが過ぎる。けれど、アレンはそんなことどこ吹く風、アレンのままでい続ける。もはや偉大なるマンネリ。まだまだ映画で遊んでくれることだろう。ただし、笑わせ方のワンパターン化は、どうか改善して欲しい。





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