人生はノー・リターン 僕とオカン、涙の3000マイル

人生はノー・リターン 僕とオカン、涙の3000マイル “The Guilt Trip”

監督:アン・フレッチャー

出演:セス・ローゲン、バーブラ・ストライサンド、
   ジュリーン・ルネー=プレシアド、サブリナ・ゲバラ、
   ジョン・ファンク、ロバート・カーティス・ブラウン、
   キャシー・ナジミー、ミリアム・マーゴリーズ、ローズ・アブドゥー

評価:★★




 もしハリウッド女優が自分の母親だったら…。思いを巡らせたことは一度や二度ではない。孫がいておかしくない年齢の女優に限るとするならスーザン・サランドン、グレン・クローズ、ジェーン・フォンダ、ジェシカ・ラング、ダイアン・キートン、メリル・ストリープ…考えれば考えるほど恐ろしい気分になるのは何故。ジュリー・アンドリュース、ゴールディ・ホーンといった明るいイメージの女優ですら怖いのは何故。バーブラ・ストライサンドを想像して鳥肌が立つのも致し方なし。

 『人生はノー・リターン 僕とオカン、涙の3000マイル』ではストライサンドが暴走気味の母親に扮する。息子役がセス・ローゲンだからどんな風にまとめられるのかは想像通りなのだけど、ローゲンは明らかにいつもより控え目。お馴染みの毒はほとんど封印して、ストライサンドを立てる側に回っている。そりゃそうだ。ここで万が一、ストライサンドより目立ってしまった場合、2年後にはハリウッドから消えていることを覚悟せねばならない。…って、ストライサンドは良い人なのかもしれないけれど、(世間を知る)作り手がストライサンドに面倒臭いイメージを持っていることは間違いない。

 そんなわけでストライサンドは楽しそうだ。四六時中息子に電話。息子に着せたい服を購入。自分の友人たちとの食事会に息子を参加させる。息子の恋人にダメ出し。昔の恋人の名前を息子に命名。息子の仕事に口出し。そればかりかプレゼンに乱入。息子の性生活相談にまで入り込む。ローゲンがうんざりすればするほど可笑しい…と思い込んだ作り手の浅はかさよ。でもまあ、無難な作りでもあるのか。

 ロードムービーの形を借りながら、母息子の頓珍漢な掛け合いを笑い飛ばした後、ふたりの衝突が描かれ、しかし結局ハートウォーミングな着地点へと向かう。血の繋がりが濃ければ濃いほどに愛憎はどろどろしたものになるものだけれど、ここでは「愛」が「憎」をあっさり呑み込む。もう少し「憎」の主張を強くしてくれたら、生温さは薄らいだかもしれない。

 ストライサンド最大の見せ場がレストランでの大食い挑戦というのが作品を象徴している。ストライサンドは無料を目指して二キロ近いステーキを一時間で平らげようとする。ローゲンは大食いに挑む母を優しい眼差しで見つめる。終了間際にはサポート役にも回る。母と息子の心の距離が一気に縮まる。あぁ、なんて良い話…ってホントか?!大体映し出されるステーキの大きさが、全然たいしたことないのだ。ストライサンドなら、それぐらい3分で食えるだろ!

 ローゲンは発明家で、長年時間と金をかけて開発したエコな液体洗剤を売ろうと必死だ。そうだ、どうせなら母息子が一緒に商品を売ろうとする物語にした方が面白かったのではないか。家族愛の物語にするのは勿体ないコンビだ。久しぶりのヒロイン役でメンテナンスに抜かりなしのストライサンドも、その方が生き生きと弾けられた気がする。





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