プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命 “The Place Beyond the Pines”

監督:デレク・シアンフランス

出演:ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、エヴァ・メンデス、
   デイン・デハーン、レイ・リオッタ、ベン・メンデルソーン、
   マハーシャラ・アリ、エモリー・コーエン、ローズ・バーン、
   ブルース・グリーンウッド、オルガ・メレディス

評価:★★




 『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命』は大きく分けて三つのパートから成る。いちばん最初のパートを担当するライアン・ゴズリングの職業が、バイク乗りというのがなかなかロマンティックだ。類い稀なる運転技術を持つゴズリングはそれを活かし、巨大な球体の中でアクロバティックな技を披露することで金を稼いでいる。勝手気ままな生活。ゴズリングの細身で、でも脱ぐと筋肉質の身体とバイクの相性が良い。

 その彼の前に昔の女と自分の赤ん坊が現れる。一気に孤独の匂いが立ち込めるのが面白い。家族ができることで、しかし彼は孤独というものを知る。ゴズリングは養育費を手に入れるため銀行強盗に走る。悪い行動に向かえば向かうほど、心の純真無垢なものが露になる。父性と密着しているのが切ない。

 ゴズリングと特別面白味のない刑事を演じるブラッドリー・クーパーのパート(退屈な正義と罪悪感を強調するのみ)を経て、物語はゴズリングとクーパーの息子たちへのパートへ突入する。そう、最初の二パートは最終パートのためのあまりにも長い前振りだ。デレク・シアンフランス監督が蒔いた種がようやく芽を出し、葉をつけ、花を咲かせていく。

 追う側と追われる側だった父親を持つ息子たちが、運命に導かれるように出会う。これをご都合主義だとか強引だとか作為的に見せなかったのが偉い。生きていると何度か出合う、奇跡のようなめぐり合わせ。ゴズリングの息子が興味を持ってすらいなかった父親を思い、思いがけない行動に走る。何かの磁力が働いているようだ。

 ゴズリングの息子を演じるデイン・デハーンが鋭利な存在感で圧倒する。物憂げな目やその下にあるクマ(らしきもの)から妖気と陰を放出しながら、父の幻影を追い求めていく感じが素晴らしく画になる。どこに向かうのか分からない危うさを所作に封じ込め、その通り、平穏だった日常を乱していく。そのきらめきは大器を思わせる。

 ただし、デハーンがなぜ父親に突然こだわるようになったのかまでは描き切れていない。人から伝え聞いた話やインターネットで検索した情報以上の、親子ならではの特別なもの、それを映像化できているかというと、腑に落ちない。少々血の繋がりに寄り掛かり過ぎた嫌いはある。

 クーパーの息子を問題児として登場させるのもどうか。ふたりはあっさり近づき、あっさり対立していく。それを見せるのに都合が良かっただけに見える。演じるエモリー・コーエンも十代にしては身体の肉付きが良くて、デハーンに較べるとドン臭さが気になるところだ。デハーンとクーパーの対決ももっと盛り上げて欲しかった。





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