愛さえあれば

愛さえあれば “Den skaldede frisør”

監督:スザンネ・ビア

出演:ピアース・ブロスナン、トリーヌ・ディアホルム、キム・ボドニア、
   セバスチャン・イェセン、モリー・ブリキスト・エゲリンド、
   パプリカ・スティーン、クリスティアーヌ・シャウンブルク=ミュラー、
   ミッキー・スケール・ハンセン、チーロ・ペトローネ

評価:★★★




 原作は山村美紗だっけ?…と思わず混乱するのは、主演女優のトリーヌ・ディアホルムが山村紅葉にそっくりだからだ。若干ジャッキー・ウィーヴァーも入っているけれど、紅葉の気配の方が濃厚だ。こぼれ落ちそうに大きな目の破壊力。笑ったときの口元もヴァラエティ番組で見かけるときの紅葉そのままだ。ただし、目は血走っていない。おかげで奇麗。年齢に見合った美しさだ。

 紅葉…じゃなかったディアホルムのいちばんの魅力は、ブルーの瞳ではないか。吸い込まれそうなブルーがミステリアス。どうやら画面は彼女のブルーを大いに意識した配色になっている。オープニングだけでグリーンの壁紙、ブロンドのウィッグ、ピンクのカーディガン…いずれもブルーの瞳との対比が鮮烈な印象を残す。もちろんイエローのレモンも見事なバランス。他俳優もブルーの目が多いのは偶然か。

 そんなわけで『愛さえあれば』、ピアース・ブロスナンがイタリアで恋に落ちる。仕事人間だった彼がイチコロになる。デンマークでの交通事故による出会いこそ最悪だけれど、一旦自分の気持ちに気づいてからは、だてに100年スケコマシやってないぜと積極性を見せる。彼らの子どもたちの結婚ごっこはどうでも良い。大人のふたりを見ていたいと思わせる。ブロスナンは何をやってもチープさが拭えない人だけれど、この歳になってくると、それが味に変換される。遠目とは言え、ベランダに上半身裸で現れたときの出っ腹はあまりにも衝撃的だったけれど…。

 別荘の庭、ブロスナンがディアホルムの手を握って、それにキスする場面がなかなか良い。大人ならではの分別が、激しい欲情にブレーキをかける。けれど、互いに身体の中の血が温度を上げていることを無視できない感じが良く出ている。ラストシーンの目と目のやりとりも悪くない。

 主演ふたりのおかげで楽しく観られはするものの、うっすら冷めた気分を抱えてしまうのは、スザンネ・ビアが監督だからか。話自体はウッディ・アレンのロマンティック・コメディみたいだけれど、相変わらずディテールには作為がちらつく。乳癌の扱い方。同性愛のほのめかし。主演ふたりに思いを寄せる者・対立する者の動かし方。ヌードの差し挟み方。大袈裟に騒げば騒ぐほどに空騒ぎの匂いが濃くなる。もっとさらりと行けないか。

 それにしてもイタリアの風景は目に優しい。古くからある建物を大切にしている感じが好もしい。突然原色が現れても、それを景色に溶け込ませてしまう魔法がかかっている。ビアは事ある毎に美しい風景を、音楽と共に挟む。はっきり言ってやり過ぎなのだけど、そうしたくなる気持ちは分かる。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ