モネ・ゲーム

モネ・ゲーム “Gambit”

監督:マイケル・ホフマン

出演:コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン、
   トム・コートネイ、スタンリー・トゥッチ、アンナ・スケラーン、
   クロリス・リーチマン、伊川東吾、ジェラード・ホラン

評価:★★




 『モネ・ゲーム』は邦題通り、クロード・モネの名画「積みわら」に踊らされる人々を描いたコメディ。「泥棒貴族」(66年)のリメイクということは、この際忘れる。連作「積みわら」の一作を何が何でも手に入れたい大富豪から大金をせしめるべく、彼にいつもこき使われている美術鑑定士が、贋作と偽者の所有者を用意する。古めかしくも懐かしくもある設定。ストーリー自体はもろ好みだ。

 それなのにこの映画、全然笑いが弾けない。笑いがまた次の笑いを呼ぶ仕掛けらしきものはたっぷり用意されているのに、何故。原因のひとつは、笑いのワンパターン化だろう。当然のことながら、鑑定士の計画通りに事は進まない。思惑が外れてポカーンと口を開けることしかできない鑑定士を笑う、そのギャグだけで勝負する。その度胸はある意味立派、けれどパンツ一丁のコリン・ファースをホテル中歩き回らせるだけで、10分以上引っ張るってアンタ…。ドリフターズじゃないんだから。いや、ピンク・パンサーの気配も少々…。

 驚くべきことに、脚本を手掛けているのはコーエン兄弟だ。名前を弄ったおかしみはなるほど彼らっぽいし、事態がどんどんわけの分からない方向に転がっていくのも、らしい。しかし、話の展開はやけに幼い。大抵のコーエン兄弟映画は、予想外の先に待っているものまでもが読めなくて、なおかつ奥深いものなのに、ここでは分かりやすい着地点に向かい、それで良しと満足気だ。

 ふと頭を過ぎるのは、ひょっとしてこれはコーエン兄弟のデッドストックだったのではないかということだ。手掛けてみたは良いけれど、イマイチ面白くない。俺たちにしちゃ、気が抜けている。うーん、監督する気にはなれない。…それをスタジオが無理矢理映画化に持ち込んだのではないか。それともマイケル・ホフマン監督が、コーエン兄弟の脚本から激しく逸脱した映像にしてしまったのだろうか。いずれにしてもコーエン兄弟の匂いは希薄だ。

 実はオープニングシーンにはちょっとだけ笑ったのだ。ファースが単純過ぎる詐欺計画を語る件だ。スピーディな見せ方もさることながら、「積みわら」所有者のテキサスガールとして登場するキャメロン・ディアスを全然喋らせないのが可笑しい。喋らせないことで彼女に対する想像がどんどん膨らんでいく。膨らんだ想像が悪夢だったら、なお面白かったのに…。

 人物の描き込みは本当に浅い。テキサスではカウガールとして生きているというディアスの特技は、クライマックスのある捕り物場面だけでしか使われない。スタンリー・トゥッチ演じるもうひとりの鑑定士の黙らせ方も、単純一直線だ。何より「勇敢で、愚か」と紹介されるファースの脚が、最初から最後までもたつきっぱなしなのが苛立ちを誘う。コメディはリズムが命。この登場人物ではリズムを作りようがない。





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