明日の私に着がえたら

明日の私に着がえたら “The Women”

監督:ダイアン・イングリッシュ

出演:メグ・ライアン、アネット・ベニング、エヴァ・メンデス、
   デブラ・メッシング、ジェイダ・ピンケット、ベット・ミドラー、
   キャンディス・バーゲン、キャリー・フィッシャー、クロリス・リーチマン、
   デビー・メイザー、ナターシャ・アラム、アナ・ガステヤー

評価:★




 ジョージ・キューカーが手掛けたオリジナル(39年)については全く知らないのだけれど、身も蓋もない言い方をするならば、『明日の私の着がえたら』はTVシリーズ「SEX AND THE CITY」(98年~04年)のメンバーになれなかった薄っぺらい登場人物たちによるアンサンブル劇といった趣。ちょっと「デスパレートな妻たち」(04年~)の要素も入っているかもしれない。出てくるのは「SATC」や「デスパ妻」に入れなかった者たちばかりだから、当然話は生温い。

 「女を評価しない男どもを呪ってやるのよ!」というセリフが出てくる。だからなのか、画面に映し出されるのは女だけで男は一切出てこない(実はラストに例外あり)。男は女たちの会話に登場するだけで声すら拾ってもらえない。監督も当然のように女性を抜擢。女が女であることにエールを贈る溌剌コメディ…のつもりのようだ。でもダメ。全然ダメ。だってその肝心の女がつまらないんだもの。

 夫の浮気をきっかけに現実逃避に走ったり、売り上げが低迷する雑誌の編集長の座にしがみついたり、妊娠していたり、レズビアンだったり…と極めてフツーの、映画の軸として取り上げるほどではない題材の羅列。つまりフツーのことをフツーに描いているだけなわけで、それなのに無理矢理女しか出てこないものだから、そして強引にファッショナブルに仕立て上げようとするものだから、ちょっとホラーじみて見えるくらい。アンサンブルの中でも中心的な存在である「浮気された妻」に絞って、じっくり自分探しとやらを凝視したなら、それなりに見えたかもしれないのに。それか舞台にするのであれば、そこそこまとまったかもしれない。ちなみに、裏方には男性がゴロゴロ(プロデューサーにはミック・ジャガーの名前も!)していて、そのあたりも中途半端だ。

 それにしても脚本家は何をしていたのだろう。会話の中心となるのは不毛な陰口ばかりなのが退屈だし、その上それに捻りが効かされていない。ネイリストを通じて離婚話を知る件が二度も出てくるあたりなど、明らかにリズムを怠慢にしている。仲違いしたふたりが仲直りする流れも、もう少しなんとかなったのではないか。オママゴトじゃないんだから。

 メグ・ライアンやアネット・ベニングら喜劇に定評のある女優たちがなんだか気の毒だ。一流どころが大袈裟に今風を装って滑っている印象。笑ってしまったのは顔のアップがほとんどなかったことで、このあたりは女同士の気遣いが感じられる。ライアンもベニングも綺麗に撮ってあげないとね。ほとんど成果は出てないけど。

 終幕にあるファッションショウが開かれる。この唐突感が作品を象徴している。ヒロインはどうやらファッションに興味があったようで、浮気のゴタゴタをきっかけに、そちらに目覚めてしまったようなのだ。このイイ加減さには呆れるけれど、もっと呆れてしまうのはこのショウが恐ろしく退屈なところだ。最初は黒と白の葬式のようなスタイルばかりなのに驚愕。ようやく赤が登場してホッとしたら、なんとそれ以外の色が全く出てこない!しかもデザインが無難という言葉がピッタリの平凡さで、センスというものが全然伝わってこないのだ。もちろん周りは大いに褒めそやすんだけど。なるほど、これでは「SATC」からはお呼びがかからない。この映画である意味正解のヒロインなのだった。





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