パラノーマン ブライス・ホローの謎

パラノーマン ブライス・ホローの謎 “ParaNorman”

監督:クリス・バトラー、サム・フェル

声の出演:コディ・スミット=マクフィー、タッカー・アルブリジー、
   アンナ・ケンドリック、ケイシー・アフレック、ジョン・グッドマン、
   クリストファー・ミンツ=プラッセ、レスリー・マン、エレイン・ストリッチ、
   ジェフ・ガーリン、バーナード・ヒル、ジョデル・フェルランド

評価:★★★★




 まず、主人公のノーマン少年のヴィジュアルがイイ。死者が見えて話もできるという「シックス・センス」(99年)なノーマンは、背が低くてひょろひょろ。瑛太風の耳と墨を思わせる眉毛、そしてハリネズミのようにツンツンした髪の毛の持ち主。ストップモーション・アニメーションにより表現される彼は、その背中に哀愁まで背負っている。小学生なのに!

 死者が見えるせいで苛められているのに、部屋の中がホラーグッズで固められているのが可笑しい。目覚まし時計、歯ブラシ、スタンドライト、スリッパ…全て怪奇趣味。ホラー映画のフィギュアやポスターも溢れている。リュックサックに髑髏の小さなマークがついているのも愉快だ。ノーマンは能力のせいで寂しい思いをしているけれど、それでもメソメソなんてしないのだ。

 ノーマンの住むブライス・ホローという町がまた、なかなか味わい深い表情の持ち主だ。ケータイ事情や衣服から察するに現代が舞台のはずだ。それなのに、時代に激しく乗り遅れた匂いが濃い。アメリカなのに昭和のテイストすら感じる。夕焼けが、森が、自転車が、自動車が、なんだかやけに懐かしい。時が止まったまま、ただ人々が行き交っているだけに見える。なるほどゾンビや魔女が出てきてもおかしくない。音楽はほとんど流れず、静けさが大切にされているのが正解だ。

 町がゾンビに襲われる。オリジナルのゾンビに敬意を払うかのような、のろのろした動きが素晴らしい。ストップモーション特有のカクカクした映像が、ゾンビの動きと楽しくフィット。なんだか会いたかった人に再会できた嬉しさすら感じる。

 けれど物語は、ゾンビが一暴れしたところで急転する。本当に怖ろしいのは人間であることを突きつける展開の中に、魔女狩りや集団ヒステリーに対する考察が浮かび上がる。ノーマンがこれを勇気で突破していくのは定番だけれど、画面作りの面白さの助けも借りて、単調な印象は皆無だ。

 ノーマンは時折、魔女狩りがあった300年前の世界へ前触れなくタイムスリップする。このときの画面が…詩情まで湛えているのに驚く。ノーマンはそこでは助けを求める者に手を差し伸べることができない。目撃者にしかなれない。魔女にすっかり肩入れする。

 ノーマンと仲良くなるデブっ子が可愛い。彼もまた、ノーマンと同じように苛められながら、明るさを決して失わない。風船のような体型で彼は言う。「身体の大きいバカがいじめっ子になるんだ。バカの生き残り法なんだよ」。一発で彼を好きになる。





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