ベラミ 愛を弄ぶ男

ベラミ 愛を弄ぶ男 “Bel Ami”

監督:デクラン・ドネラン、ニック・オーメロッド

出演:ロバート・パティンソン、クリスティン・スコット=トーマス、
   ユマ・サーマン、クリスティーナ・リッチ、コルム・ミーニー、
   フィリップ・グレニスター、ホリデイ・グレインジャー、ナタリア・テナ

評価:★★




 ギィ・ド・モーパッサンの文学を基にした『ベラミ 愛を弄ぶ男』は、19世紀フランス、パリを舞台にしている。主人公ジョルジュ・デュロワは鉄道会社で働きながら貧しい暮らしを送る若者で、彼は自分の美貌が上流社会でのし上がる武器になることに気づき、狙った女たちの耳元で囁く。「あなたは僕を友にも弟にも夫にもできる。身も心もあなたに捧げます」。

 そんなわけでもちろん、最重要視されるべきは主人公の配役だ。人生経験を積んだはずの女たちがコロリとマイッてしまう美貌が輝かなければ、全く説得力を持たない話だろう。その点において、ロバート・パティンソンのチョイスは微妙なところだ。「トワイライト」(08年)シリーズでアイドル的人気を博しているものの、目つきの悪さや青白い肌、正面から見ると四角いフェイスライン…いずれも苦しいところだ。マッチョに走る前のチャーリー・ハナムや「リプリー」(99年)の頃のジュード・ロウなんて、どうだ。「太陽がいっぱい」(60年)の頃のアラン・ドロンでもいい。そのまんまか。いや、パティンソンも角度によってはゾクッと来ることもあるのだけれど…。

 そう思いながらしかし、次第に実は適役なのではないかとも思えてきた。主人公は自尊心と才能のバランスの崩れた男で、その空虚さがパティソンの中身のない薄ら笑いやワンパターンの上目遣いにピッタリのような気もするのだ。無教養と実体の伴わない向上心が密着している。

 だから終幕の流れには大いに違和感を感じる。一度は再びどん底に落ちた主人公が、復讐と言っても良い策略に走り、多くの者が涙を流す。特に女たちが哀れに見えるのが辛い。ここは器を勘違いした主人公が打ちのめされるところで終わった方がスッキリしたのではないか。フェミニズムを掲げる方々の逆鱗に触れそうだ。

 退廃と官能という点でも物足りない。パティンソンの経験不足が、それらに合致しない。子どもが背伸びして頑張っている感が拭えない。所作のイチイチが幼い。それにセックス描写もしつこさが足りないだろう。女たちが惚れるのは、セックスの技術力によるところも大きいだろうに、そのあたりは淡白に済まされる。せめて若い力を腰の振動に回さなくて、どうする。

 それでも女優たちの競演は楽しい目の保養だ。ディナーの並んだテーブルにユマ・サーマン、クリスティーナ・リッチ、クリスティン・スコット=トーマスが囲む眺めはなかなか壮観。それだけでもパティンソンが羨ましい。それぞれタイプの違う性格と境遇になっているのも、当たり前とは言え楽しい。

 部屋の内装の基本色が異なるのも嬉しくなる。サーマン宅がパステルブルー、リッチ宅はセピアカラー、女たちとの逢瀬に利用する部屋は薄い黄色。特にサーマン宅のブルーの涼やかさが良い。家具とも見事な調和を見せる。サーマンの冷たい美貌とも合っている。





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