オズ はじまりの戦い

オズ はじまりの戦い “Oz the Great and Powerful”

監督:サム・ライミ

出演:ジェームズ・フランコ、ミシェル・ウィリアムス、レイチェル・ワイズ、
   ミラ・クニス、ザック・ブラフ、ビル・コッブス、トニー・コックス、
   スティーヴン・R・ハート、アビゲイル・スペンサー、
   ブルース・キャンベル、テッド・ライミ、ティム・ホームズ

声の出演:ザック・ブラフ、ジョーイ・キング

評価:★★




 ライマン・フランク・ボームによる「オズの魔法使い」の物語は大抵の人が知っているだろう。ストーリーの詳細に馴染みがなくても、偉大なる魔法使いであるオズの正体や三人の魔女の性格は承知しているはず。『オズ はじまりの戦い』はそれに目をつけた映画。前日譚となっている。「アリス・イン・ワンダーランド」(10年)に通じる世界観になりそうなのが不安だ。

 ディズニー映画らしく、小さな勇気と信じる心の大切さを説く。無責任で女に節操がなく傲慢な三流奇術師のオズの成長の物語には、意外性も新味もない。けれど、そこのところはサム・ライミも分かっている。ライミが勝負に出るのは、映像の分野だ。魔法が飛び交うオズの世界をいかに魅力的に描くかに賭けている。3Dだから表現も多彩になるはずだ。

 そうして出来上がったオズの国が、さほど輝いていないのは残念だ。カラフルであることが美しいとするような画面。落ち着いた色合いの画はほとんどない。光の関係にもよるけれど、常にてかてか光っているのが特徴だ。いかにもコンピュータで創り出した匂いが濃い。色が溢れれば溢れるほど味気なさが増すのは、それこそ「アリス・イン・ワンダーランド」と同じ。

 せめて美術はもう少し捻って欲しかった。ブルースクリーンを使って撮った画面が、極めて作り物感が強いのは構わない。ただ、それが可愛くもなければ荘厳でもないのは辛い。紙を使って10分程度で作りました、みたいなチープさが全編を覆う。コンピュータによる背景に安っぽい装置。決して溶け合わない映像に居心地の悪さを感じる。

 オズを演じるのはジェームズ・フランコで、なかなかのハマり具合だ。デビュー時の翳りはほとんど消え去り、あのニヤケ顔を活かして、オズの胡散臭い人物像を愉快に創り上げている。軽薄さに真実味がある。素ではないかと思わせるほどに。褒めている。

 けれど、この世界のポイントはやはり、三人の魔女だろう。西の魔女をミラ・クニス、東の魔女をレイチェル・ワイズ、南の魔女をミシェル・ウィリアムスが演じている。誰が本当に悪い魔女なのかは分かっていること。なるほど、それぞれの美貌に見合った割り振りになっている。役柄としては「変化」という点において、クニスが最も面白いけれど、残念、ライミは変身後魔女を生身のクニスで表現することを選ばなかった。素顔を活かしたメイクの力を信じるべきでだったのではないか。クニスには妖気がたっぷりあるもの。

 魔女よりも胸躍るのは、オズと旅を共にする仲間だ。案山子やブリキの木こり、ライオンの代わりに、猿と陶器の少女が登場する。兵隊服姿でちょこまか動く、翼の生えた猿も可愛いけれど(ちょっと煩いが…)、陶器の少女がもっともっと可愛い。身体全体にひびが入っているのが素晴らしくフォトジェニック。もっと衣装チェンジしてくれれば良かったのに…。





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