キャビン

キャビン “The Cabin in the Woods”

監督:ドリュー・ゴダード

出演:クリス・ヘムズワース、クリステン・コノリー、アンナ・ハッチソン、
   フラン・クランツ、ジェシー・ウィリアムス、リチャード・ジェンキンス、
   ブラッドリー・ウィットフォード、シガーニー・ウィーヴァー

評価:★




 ブルネットの処女とブロンドのくるくるパー子。筋肉マッチョに誠実なハンサム。おまけにオタクもいる。キャンピングカーに乗り込んだ彼らが、いかにも何か出そうな山中のキャビンへ遊びに行く。昼間は湖でいちゃこき、夜は別荘とは到底呼べないキャビンの中を探検する。そして、はい、当然のように殺戮劇が始まる。生き残るのが処女であることは火を見るよりも明らか。処女がいきなりシャツにパンティ姿というのがよろしい。パー子が突如森の中でおっぱいを見せるのもグッジョブだ。

 一見古くから腐るほど作られてきたB級ホラーの外観なのだけど(オマージュと呼ぶには定番が過ぎる)、どっこい売りは全く別のところに存在する。それについてはある程度物語が進んでからバラせば良いのに、若くて我慢が効かないのか、序盤から構図が明け透けになっている。若者たちは言わば、モルモット。彼らを監視するどこかの組織により操られているらしい。そして、逃げ惑う彼らを眺めて楽しんでいる輩もいるらしい。リアリティショウだとか「トゥルーマン・ショー」(98年)を思い出す。

 物語はこの後にも急展開が用意されていて、ジャンルがころころ変わる。スラッシャー映画かと思えば、ホラー映画になり、ゲーム要素の強いスリラーの方向に転がったかと思えば、モンスターパニックムービーと化す。果ては神話やらSFやらの世界に突入する。これが全く面白くないのは、作り手が捻りだと思い込んでいるものが結局、何でもありのフィールドで繰り広げられているに過ぎないからだ。

 ありきたりの映画にはしたくないというのはよく分かる。そのためにない知恵も絞っている。けれど、物語が表情を変えるところに、前と後ろを接着する技がどこにあっただろうか。いくら血が飛び散って、それが粘着質だったとしても、用をなさない。

 笑いも意識しているようだ。実際、笑えるところはある。しかしそれは、ユーモアゆえのそれではない。脈略なく、脱力を誘い、滑稽にしか感じられなくて、笑いがこみ上げるのだ。背後に作り手の得意気な顔がちらつく。どうだ、このアイデア、誰も思いつかないだろう。中学生レヴェルの悪乗り、単純な暴走でしかないというのに…。

 これでは「とんでも映画」にもならない。珍味というものは、確信犯的に狙ったものは、腐臭しか発しないものなのだ。思いがけない驚きの正体が傲慢だと知れる瞬間を待つまでもなく、『キャビン』は混沌の中で息切れしている。肩で息をしながらそれに気づかず、身体を酷使して、全てがバラバラになってしまった。もちろん残骸を楽しむ余地もない。





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