野蛮なやつら/SAVAGES

野蛮なやつら/SAVAGES “Savages”

監督:オリヴァー・ストーン

出演:アーロン・ジョンソン、テイラー・キッチュ、ブレイク・ライヴリー、
   ベニチオ・デル・トロ、ジョン・トラヴォルタ、サルマ・ハエック、
   デミアン・ビチル、エミール・ハーシュ、サンドラ・エチェベリア

評価:★★




 いかにもオリヴァー・ストーンが目をつけそうな題材だ。『野蛮なやつら/SAVAGES』はアメリカの若者ふたりが築き上げたマリファナビジネスに、メキシコの巨大カルテルが提携を持ちかけたことか起きる物語。このところ柄に合わない作品に手を出していた反動だろうか、ストーンが本来のフィールドで大暴れ。

 ストーンの大暴れが嫌なのは、題材や人物を見世物小屋のそれとして飾り立て、自己陶酔に浸っていることが透けて見えるからだ。青春アクションにもなりそうな展開を見せながら、ストーンが嬉々として映し出すのは、青春の輝きや危うさなんかではない。

 飛び交う銃弾。派手に飛び散る粘着質の血潮。舞い上がる肉片。転がる首。気がつけば人間は、穴だらけか火だるまだ。ショッキングなカットを矢継早に畳み掛け、その一瞬の吸引力に賭ける。若者ふたりが大成功を収めたマリファナの基になった種が、傭兵だったひとりがアフガニスタンから直接持ち帰った最高級のそれだという皮肉など、見向きもしない。あざとい画を、ただ、連発する快感に酔っている。

 それにしても画面が暑苦しい。大半が海の町ラグーナビーチが舞台だというのに、爽やかさはどこにも見当たらない。クローズアップが役者のシワや毛穴を克明に切り取り、意識的に粒子の粗い映像を挿入して気分を出す。多くの場面が赤にポイントが置かれた色合いになっていて、構図はインパクト重視のものが選ばれる。マッチョ幻想も幅を利かせる。このくどさのどこに面白さを見出しているのか、ちっとも分からぬ。

 配役はきっちりキマッているのに、惜しい。アーロン・ジョンソン、テイラー・キッチュ、ブレイク・ライヴリーの奇妙な三角関係を中心に置いたロマンス映画にした方が、よっぽど面白かったのではないか。三人がいちゃこいている場面こそが、最も躍動感に満ちている。とりわけジョンソンは、ヒゲモジャでありながら、不思議と清涼感があって良い。

 しかし、もっと素晴らしいのは脇を固めるクセモノたちだ。シラッと残酷な命令を連発する女帝にサルマ・ハエック。フットワーク軽く、腹黒く動くその腹心にベニチオ・デル・トロ。ちまちまと行動し、しかし最後には美味しいところを持っていく悪徳刑事にジョン・トラヴォルタ。いずれも小技を効かせた演技で、悪の華を美しく咲かせている。特にデル・トロがさすが。小汚く、むさ苦しいのに、相変わらず動きが綺麗だ。

 そうそう、ライヴリーと彼女を人質に取るハエックの間に、母娘に似た感情が芽生えるあたりは、あまりストーン的ではなくて僅かに楽しめた。こういう映画らしい要素に結局無視を決め込むストーンが、自分はオレサマ監督だと宣言しているかのような映画だ。生理的に受け入れ難い。





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