ストレンジャー

ストレンジャー “Main Street”

監督:ジョン・ドイル

出演:コリン・ファース、エレン・バースティン、
   パトリシア・クラークソン、オーランド・ブルーム、
   アンバー・タンブリン、マーゴ・マーティンデイル、
   アンドリュー・マッカーシー、ヴィクトリア・クラーク

評価:★




 『ストレンジャー』の舞台となるのはノースカロライナの寂れた町だ。若い人は都会に出ていき、建物は錆びつき、名物と呼べるものはなく、誰もが不安を抱えて生きている。そこにある倉庫を観光サーヴィス会社が借りたことから始まる静かな物語。「静かな」なんて書くと、節度のある大人の映画を連想するものの、全然違う。何も起こらないだけなのが困りもの。

 田舎の寂寥感は悪くない。時間が止まったような町。寒くもないのに肌に沁みる空気。暮らしを営む者は残された者か出ていく勇気を持てない者。淋しさに説得力がある。弁護士になりたい警官。妻子持ちに引っ掛かり傷つく女。金に困り長年住んでいる屋敷を売ろうとする老婆とその姪。取り上げられる人物もいかにもといった感じだけれど、その淋しがり屋なところを映し出すだけなのはどうか。

 倉庫は有害廃棄物の一時保管庫として使われる。これがきっかけで登場人物たちが繋がっていくのかと思いきや、特に何も進展しないのに驚く。倉庫の管理人である老婆こそあたふたするものの、他の人物はほとんど何も関わることなく淋しがり屋の主張を繰り返すのみ。結果、「有害廃棄物の処理は慎重に」「廃棄物の扱いに絶対の安全はない」という退屈な教訓しか浮上しない。

 編集がもっと優秀であれば、まだ見られたものになったかもしれない。アンサンブル形式のため、多くの人間をピックアップする必要があるものの、エピソードのジャンプ法が極めて雑で、何の話を眺めているのか、分からなくなる箇所が非常に多い。配役は適材適所なのに勿体ない。

 老婆を演じるエレン・バースティンには見せ場が用意されている。姪のパトリシア・クラークソンに金がないことを告白する場面だ。生きるプライドと孤独が溢れ出し、しみじみとした情感が漂っている。

 町に有害廃棄物を持ち込む男を演じるコリン・ファースはスタイルが胡散臭いのがイイ。いつもジーンズで、ストライプシャツにジャケット、そしてサングラスを装着、ちょっと微笑めばアッという間に腹に一物を抱えた男の出来上がり。そのファースが急に真っ当な人間になってしまう展開には怒りすら感じる。ちょっと良い話風にまとめるせせこましさが嫌だ。





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