ジェニファーズ・ボディ

ジェニファーズ・ボディ “Jennifer's Body”

監督:カリン・クサマ

出演:ミーガン・フォックス、アマンダ・セイフライド、ジョニー・シモンズ、
   カイル・ガルナー、アダム・ブロディ、J・K・シモンズ、
   エイミー・セダリス、クリス・プラット、シンシア・スティーヴンソン

評価:★★




 基本設定だけなら『ジェニファーズ・ボディ』は、ほとんど傑作である。出るべきところが出ていて、締まるべきところが締まっていて、しかも美しい顔立ちの女の子が、悪魔に身体を乗っ取られてしまい、男たちを血祭りに上げるのだ。女が男を殺すという行為に外見だけで女を判断する男たちへの日頃の鬱憤が重なる(或いは、女ならではの歪んだ友情が浮かび上がる)…と見ることも可能なのだけど、悪いがそんなことはどうでも良い。ちゅーか、深く考える必要はない。俺もあの美人に殺されてぇ!…という極めて分かりやすい欲望をむらむら抱える単細胞な男たち向け。素敵じゃないか。

 つまりこれはもう、火の打ち所のない美女による血祭りショウが見ものになることは明白だ。怖くて、スカッと笑えて、そしてここが何より重要なのだけど、エロくさえあれば、それでOK。他には何もいらない。いや、そこまで求めるのは贅沢か。エロくさえあればイイ。それで許す。小難しい映画ばかりの昨今の映画界で、何とも珍しい作品だ。

 …というわけで勝算は十分にあったはずなのだけど、カリン・クサマという監督の人選からしてダメだったのではないか、とガックリ来る。もっと分かりやすく言うなら、女性監督が撮るべき題材ではなかったのではないか。女が男に鉄拳を下すという設定上、作品をコントロールする人間が女になるのも自然な流れではあるのだけれど、作品の面白ポイントがもうひとつズレている気がするのだ。怖くないし、笑えない(滑稽で吹き出す場面はてんこ盛り)のはイイとしても、エロが不発なのはどういうことだろう。ミーガン・フォックスが主演なのに、である。

 いや、エロは意識はされているのだ。フォックスの唇、ヘソ、そして太腿を大いに強調した撮り方になっていて、一見男たちの欲求を満たしてくれているようにも思えるのだけれど、じっくり眺めていると「エロい」のではなくて「綺麗」なのだと気づかされる。それもファッション誌のグラビア風の綺麗さなのが、あぁ、所詮は女目線のエロなのだなぁと落胆に繋がっていく。物腰のいやらしさだったり何気ない所作から生まれるエロティシズムというのとは決定的に違うのだ。求められているエロは、思わず部室で盛り上がっちゃうような、生活に密着したエロだというのに。チープで良いから、エロをエロとして撮って欲しかった。そのためには男性監督じゃないと、そもそも無理だったのではないか。って、何でエロで力説しているんだか、わけが分からないけど。

 殺し方が冴えなかったのも残念無念。刃物で突き刺すだとか首筋に噛み付くだとか誰でも考えつく安易な殺害方法ばかりで退屈。「シリアル・ママ」(94年)のキャスリーン・ターナーにユーモアを習った方が良い。あ、でもフォックスが悪魔になるんだったら、「スピーシーズ 種の起源」(95年)のナターシャ・ヘンストリッジ風になるのもアリだな。ちゅーか、観たいぞフォックス版「スピーシーズ」!

 フォックスと並んでW主演であるアマンダ・セイフライドは、フォックスに花を持たせているように見せかけながら、意外なほど目立っている。メガネ姿が可愛いのだ。…と言うか、フォックスと一緒の画面に入ると、元々は意地悪顔のセイフライドの可愛らしい側面が無理なく前面に出てくる。これはこれで男たちは辛抱タマランはずだ。

 ところで…脚本は「JUNO ジュノ」(07年)を手掛けたディアブロ・コーディなのだけど、この作品に切れ味と呼べるものは全くない。何しろフォックスが喋るセリフと言ったら、バックから攻められると痛いだとか、タンポンを持っているかだとか、その程度のものなのだ。これで正解のような気がしないでもないけど。





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