マリーゴールド・ホテルで会いましょう

マリーゴールド・ホテルで会いましょう “The Best Exotic Marigold Hotel”

監督:ジョン・マッデン

出演:ジュディ・デンチ、マギー・スミス、トム・ウィルキンソン、
   ビル・ナイ、ペネロープ・ウィルトン、セリア・イムリー、
   ロナルド・ピックアップ、デヴ・パテル

評価:★★




 人生に行き詰まりを感じた者たちが主人公。彼らは異国の地で世話になる住処の再生と共に新しい道を見つけていく。てっきり「スラムドッグ$ミリオネア」(08年)の成功にヒントを得て、インドのヴァイタリティを描き出す映画かと思ったら、最も近いのは「トスカーナの休日」(03年)だ。類似点探しができるほどに共通点がてんこ盛り。でもまあ、タイトルは「ジジババ7人インド物語」の方ががしっくりくる。

 そう、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』にダイアン・レインはいない。出てくるのは老い先短いことを確信している、イギリスのじいさんばあさんだ。…となると、年配の人々特有の問題を絡めた展開になると想像するのだけれど、どっこい、これが別に若者の話としてでも成立しそうなエピソードばかりだから拍子抜け。恋に仕事、夫婦問題に心残りの思い出。せいぜい死が身近にあることを思い出させる件があるくらいか。いや、殺してもあと100年は生きそうな人ばかりなんだけど。

 いちばん物足りないのは老人たちから観光気分が抜けないところだろうか。ホテル住まいということもあり、彼らはいつまで経っても部外者だ。食事は出されるものを食べ、お茶を優雅に楽しみ、街中にショッピングへ。インドの未成熟なところを気にしていたのは最初だけで、瞬く間にプロの観光客となる。いっそのこと、ガイドにでもなれば良いのに。生活感が感じられない。多分、現地人との交流が全然出てこないのが違和感に繋がっているのだろう。

 物語を引っ張る老人たちの中でも、ジュディ・デンチは中心的存在として描かれる。だからほら、レインのように目一杯美しく飾らなければならない。そして実際、ここでのデンチはやけにファッショナブル。次から次へとお召し替え。多分女優人生の中で最もオシャレ。白髪・短髪のヘアスタイルこそワンパターンだけれど(でもカッコイイ)、インド的な遊びを組み込む余裕を見せながら、身の丈に合ったファッションで画面を楽しげに踊る。おぉ、目覚めちゃったよ、この人は。

 ただし、デンチの役柄にはさほど面白味はない。美味しいところをさらうのはマギー・スミスだ。毒舌の車椅子老女。イギリスでもインドでも悪態をついて我が道を行く。映画の笑いの大半は彼女から発信される。よぼよぼになっても大女優だ。尤も、彼女の役柄は他のキャストの絡みがほとんどないのが残念だ。デンチと会話したのは最後ぐらいじゃないか?ひとりだけ浮いている感じが、ちょいと疑問。

 インドの街の描写は結局、生活の苦しさを強烈に感じさせる部分が排除されている。それゆえ、美点の方が目につく。子どもたちの生き生きとした顔。エスニックな色合い。柔らかな光。インドの一側面でしかないと承知しつつ、確かに魅力的だ。フィールグッド・ムービーなのだから、これで良いのかもしれない。





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