エンド・オブ・ザ・ワールド

エンド・オブ・ザ・ワールド “Seeking a Friend for the End of the World”

監督:ローリーン・スカファリア

出演:スティーヴ・カレル、キーラ・ナイトレイ、
   アダム・ブロディ、デレク・ルーク、ウィリアム・ピーターセン、
   メラニー・リンスキー、マーティン・シーン、T・J・ミラー

評価:★★




 地球への小惑星の衝突が避けられない事態だと判明する。人類滅亡が明らかになったとき、人は残された時間をどう過ごすだろうか。同じような設定の映画にラース・フォン・トリアー監督の「メランコリア」(11年)があるけれど、『エンド・オブ・ザ・ワールド』はアプローチが明らかに異なる。目指したのは喜劇だろう。

 流れるのは爽やかなポップミュージック。主演はコメディ一筋のスティーヴ・カレル。死が近づくことで悲観的になった人々の絶望的な行動は極力排除される。それどころかカレルは恋に落ちる。親子として通用しそうなキーラ・ナイトレイと恋に落ちる。

 狙いは分かっても、もうひとつすっきりしない。カレルとナイトレイの明るい表情が無理矢理作られたものにしか見えないからだ。人間は哀しいときでも苦しいときでも、笑うことができる生き物だ。それが都合良く忘れ去られる。笑顔を作るよう、作り手が強引に指図しているように見える。人間観察が温い。

 それゆえ、センティメンタルな気分が常に付きまとう。カレルは昔愛した女に会いに出かける。女は遠く離れたイギリスで暮らす家族と一緒に過ごすことを願う。ふたりは行動を共にするうちに惹かれ合っていることに気づく。でも彼らが愛を確かめ合える時間は極僅かだ。笑えば笑うほどにやりきれない。それどころか過剰に感傷が主張する。

 「メランコリア」にはうつ病のヒロインが出てきた。だからというわけでもないけれど、この映画自体がうつ病に苦しんでいるようにしか見えないのだ。「メランコリア」のどんよりと沈んだ気分は、惑星の接近と共に不思議と晴れていった。この映画の憂鬱さはぐんぐん深まっていく。彼らが笑い声を上げる度に、気が滅入る。要するに、楽しくない。

 もう一本思い出す映画は「最強のふたり」(12年)だ。障害者を取り上げ、それに気遣いを見せることなく豪快に笑い飛ばしたフランス映画。深刻になってもおかしくない話に豪快に蹴りを入れたのは、動物的本能で動く青年を演じたオマール・シーだった。ここにはシーの破壊力の代わりとなるものがない。

 画面作りは悪くない。カレルとナイトレイ、そこに捨て犬のソーリーが入るとあら不思議、それだけで奇妙に魅せてしまう。ナイトレイがレコードを持って家を飛び出していくのも、なかなかホッとする画だ。物語よりも画で見せる演出を選んだ方が面白かったかもしれない。





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