テッド

テッド “Ted”

監督・声の出演:セス・マクファーレン

出演:マーク・ウォルバーグ、ミラ・クニス、ジョエル・マクヘイル、
   ジョヴァンニ・リビージ、パトリック・ウォーバートン、マット・ウォルシュ、
   ジェシカ・バース、トム・スケリット、エイディン・ミンクス、
   ノラ・ジョーンズ、サム・ジョーンズ、レイ・ロマノ、
   ライアン・レイノルズ、テッド・ダンソン

評価:★★★★




 ぬいぐるみが喋るという設定はありそうだ。ぬいぐるみと少年が仲良くなる物語もありふれている。しかし、命を与えられたぬいぐるみが少年と一緒に成長、オッサンになる映画は聞いたことがない。中年のクマのぬいぐるみが大暴走、想像しただけで嬉しくなるじゃないか。

 『テッド』は期待を裏切らない。テッドという名のぬいぐるみが喋るという設定はあくまで掴みに過ぎない。そこをスタート地点にどんどん世界観が広がっていく。それを彩るのは放送禁止用語であり、下ネタであり、愚かしい価値観だ。だって仕方がない。テッドは不良中年だ。人間だったらヴィンス・ヴォーンやオーウェン・ウィルソンが演じるところだ。

 男の友情や大人になれない男の成長といったテーマを持たせた物語よりもポイントになるのは、やっぱりテッドの描き込みだろう。可愛らしい顔からぽんぽん飛び出る下品な言葉の可笑しさ。スーツやエプロンを着ただけで倍増する愛らしさ。自分の魅力をしたたかに利用する逞しさ…。

 しかし、何と言っても、その表情が素晴らしい。普通の人形だったときには目立たなかった眉毛がはっきり浮かび上がり、その胸の内を実に愉快に届けてくれる。人間もそうだけれど、眉毛が持つ力は侮れないのだ。眉毛を奇妙に動かして、その上、短い脚に支えられた腰をカクカク入れられたら…もう、辛抱タマラン。

 人間と一緒に立ったときの画のシュールさも重要だろう。マーク・ウォルバーグと並ぶとテッドの背丈は四分の一ほど。ふたりがくだらない(でも男にとっては最高に楽しい)会話を繰り広げる画の破壊力!ソファーでジャンクフードを喰らいながらフットボール観戦するショットが、何よりもこの映画を象徴する。くだらなくて、くだらなくて、でも愛しくて…。

 ふんだんに散りばめられたポップカルチャーネタも楽しい。特に80年代に光が当てられている。おそらく作り手の趣味なのだろう。ただしそれらは、80年代の格好悪さを承知した上でのものになっている。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年)や「グレムリン」(84年)を思わせるアクション。腰の入り方が恥ずかしいダンス。ティファニーを始めとする青春アイコン。トドメを刺すのはもちろん、「フラッシュ・ゴードン」(80年)ネタだ。目一杯時間を割いて描かれる。そのくだらなさに腹が捩れる。

 ウォルバーグは場面によっては素の表情を見せている。撮影は苦労しただろうけれど、それでも実に楽しそうだ。ベストシーンはどう考えても、テッドと殴り合いのバトルになる件だ。よくやった!切なくて、でも大笑い。この場面に音楽が流れないところに、作り手のセンスが光る。

 監督のセス・マクファーレンはテッドの声も担当している。完全にオッサン声なのが素晴らしい。低いそれに乗せた言葉の数々がベトベトしていないのが良い。この声あればこそ、「ボストンの女は他のどこよりもブスだらけだ」なんてセリフにも大笑いできるのだ。





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