ぼくの美しい人だから

たまには懐かしい映画をぼそぼそと…

ぼくの美しい人だから “White Palace”

監督:ルイス・マンドーキ

出演:スーザン・サランドン、ジェームズ・スペイダー、
   ジェイソン・アレクサンダー、キャシー・ベイツ、
   アイリーン・ブレナン、スティーヴン・ヒル、ジェレミー・ピーヴン




 昔はピンと来なかったのに、今観返すと結構感じ入るものがある映画というのが結構あって、『ぼくの美しい人だから』(90年)なんてまさしくそれ。ふたりが初めて関係を持つ場面が性欲丸出しの女が男を襲うイメージしかなくて、そこのところに人生経験の浅過ぎる若い自分は引っ掛かりを覚えていたように思うのだけれど、実はここが重要なポイントだ。

 いや、今観返しても女が強引に性的関係を作り出した印象が強い。何しろスーザン・サランドンは酔っ払って眠り込んでしまったジェームズ・スペイダーの下半身を、いきなり攻める。まずはその快感によってスペイダーを虜にしてしまうのだ。サランドン43歳、スペイダー27歳という設定。女が男を喰う。その画があまりにも強烈。でも、こういう身体から始まる恋愛というのも確かにあるのだろう。精神的な結びつきよりも強く相手を求め、それがホンモノの愛に変わることだってある。ある意味、極めて自分に対して正直。

 …そんなわけでこの映画、この合体シーンにとても力が入っている。当然だ。ここが嘘臭くては成立しない映画だからだ。この場面でサランドンは乳を晒す。40代を迎えてご立派なこのボリュームも凄いけれど、ふたりが繋がっている全体像を見せないままに、ヒロインのテクニックの一流っぷりを悟らせてしまう表情がまた、凄い。顔の高揚感がマジ。技術先行ではなくて、ちゃんと役柄と一体化した艶がある。このときのスペイダーの快感の表情がまた上手くて、これ一発でサランドンの虜になってしまう男の心情に説得力を与えている。うぉー、そんなに気持ちが良いのか。今までこれほどの快感は味わったことがなかったのか。そりゃ、また求めちゃうよねー。…というのが、実感を持って迫ってくる。サランドンの肩越しに、手前にサランドンの乳、その奥に悶えるスペイダーの表情を捉えるショット、なんかスゲー。

 この後は基本的にシンプルなラヴストーリーになる。その際に身分の違い、住む世界の違いが壁として浮上してくる。スペイダーがサランドンを恥ずかしく思うというのが中盤の鍵になるのだけれど、サランドン自身も境遇に迷いがあることが明らかになるという展開がなかなか上手い。恋に落ちることで見えなかった(見たくなかった)自分というものに気づかされ、彼らは関係を深めていく。そのあたりが誠実に描かれているあたり、とても大人。

 それにしてもサランドン、この人は何歳になっても「女」を感じさせるのが素晴らしい。『ラブリーボーン』(09年)では遂におばあちゃん役になっていたけれど、それでもやっぱりどこかで「女」の匂いを感じさせた。こぼれ落ちそうな目玉も健在。正統派の美人ではないけれど、多分デキる男がお相手願いたいタイプだと思う。長年のパートナーがティム・ロビンスだったというのも大いに納得できる。浅い男は最初から近づけない。いつまでもカッコイイ。

 つまりそのサランドンの相手を堂々務めたスペイダーはなかなかのものということになる。スペイダーの代表作は世間では『セックスと嘘とビデオテープ』(89年)になるのかもしれないけれど、作品自体が好きではないせいか、スペイダーも特に印象には残っていない。やっぱり『ぼくの美しい人だから』と『セクレタリー』(02年)が二大代表作だと思う。どちらも性的要素が強いのが特徴。インテリの役を演じても、どこか笑えるのがイイ。最近はすっかりでっぷりしてオヤジになってしまったけれど、もう一花二花咲かせて欲しい。





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