17歳キャロラインの三角関係

17歳キャロラインの三角関係 “Daydream Nation”

監督:マイケル・ゴールドバック

出演:カット・デニングス、リース・トンプソン、アンディ・マクドウェル、
   ジョシュ・ルーカス、レイチェル・ブランチャード、テッド・ホイットール、
   ケイティ・ボランド、ルーク・カミレリ、ランドン・リボイロン

評価:★★★




 ヒロインの少女キャロラインは都会から田舎へ越してくる。彼女は国語教師のバリーと関係を持つが、カムフラージュとして同級生の少年サーストンともデートを重ねることになる。はい、お手軽な三角関係の出来上がり。もちろん人間関係は捻れる。縺れる。複雑に絡まる。

 …というわけで、『17歳キャロラインの三角関係』は話だけ取り出すとどこにでも転がっている恋愛を描いているに過ぎない。ただ、それだけに終わらないのは、キャロラインの人物像に捻りがあるからだ。目立つ者を許さない閉塞的な田舎町で、キャロラインはその真実を突いた言葉でキラリ光る存在感を見せる。「学校は幼稚な性差別主義者の男だらけよ。甘んじて受け入れる女たちはもっと酷いわ」。「アトム・エゴイヤンの映画より近親相姦の多い町だわ」。「女の子たちの最良の夢は卒業写真の中にある」。

 こうした言葉がカット・デニングスの口から飛び出してくるのも大きい。ぷっくりと言うよりぽってり、ぽってりと言うよりぼってりした唇。真っ白な肌。全てを見透かすような目。グラマラスな身体。田舎の小さな枠からはみ出してしまうオフビートな個性が面白い。ビッチな振る舞いを繰り返しても下品ならないのも、彼女ならではだろう。

 キャロラインの奔放な行動を明け透けに描き出しながら浮上するのは、田舎町に潜むダークな側面だ。人々の間には大人も子どもも関係なくマリファナやエクスタシーが溢れる。少女を狙った連続殺人事件が発生する。工場火災は一向に静まる気配がない。こうした暗い出来事は、まるでこの田舎町が見ている夢のよう。それも真昼間、転寝をしながらの悪夢。明るいのに仄暗く、眩しいのに翳りがある。悪夢がどんどん広がっていく。

 悪夢の中では偽善が露になる。人間の本性が丸見えになる。救いと思われたものにどん底に突き落とされる。悪夢の住人となったキャロラインは、迷い込んだその町から抜け出すことができるだろうか。一本のサスペンスが軸にあると見て良い。

 クライマックスでは悪夢がようやく醒めることになる。町の住人たちはそれぞれに安定を得る。キャロラインは手を繋ぐ。ホッとする。でもちょっと待て。本当に悪夢は晴れたのだろうか。工場の火災は続いているではないか。なかなか後を引く切り上げだ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ