マリー・アントワネットに別れをつげて

マリー・アントワネットに別れをつげて “Les adieux à la reine”

監督:ブノワ・ジャコー

出演:レア・セドゥー、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン、
   グザヴィエ・ボーヴォワ、ノエミ・ルヴォフスキー、ミシェル・ロバン、
   ジュリー=マリー・パルマンティエ、ロリータ・シャマー

評価:★★




 贅沢の限りを尽くしたフランス王妃を取り上げた映画はたくさんあるけれど、『マリー・アントワネットに別れをつげて』は切り口が独特だ。気まぐれなマリー・アントワネットを中心に置くのではない。彼女の朗読係の目を通した物語になっている。革命が起こる1789年、ベルサイユ宮殿内の混乱が綴られる。

 最初はアルフレッド・ヒッチコックの「裏窓」(54年)的面白さを目指しているのかと思ったのだけれど、どうやらもっと分かりやすいものを狙っている。朗読係の少女は宮殿の内も外も意外なほど自由に動き回る。そして歴史が動く瞬間をドアやら椅子やらインテリアの陰から、こっそり覗き見する。どうやら好奇心はたっぷり具えているようだ。彼女は見る!朗読係は見る!家政婦じゃないけど見る!多分朗読係じゃなくても支障はない。

 実のところ、作り手の歴史への興味はほとんど感じられない。フランス革命を背景にした恋心こそメインテーマだからだ。朗読係は王妃を慕い、王妃はポリニャック夫人なる人物に寵愛を注ぐ。ザ・片想い。想いを告げるよりも少しでも一緒にいられることを願う、ザ・片想い。

 そう、片想いは片想いでも、同性愛的要素のあるそれになっているのがポイントだ。冒頭、朗読係が王妃に本を読み聞かせる場面。王妃の顔がほとんどキスをするのではないかというぐらいの距離まで、朗読係の顔に近づく。王妃と夫人が美しい椅子に腰掛けながら語り合う場面も、親密な空気が大切にされている。もちろん汚くはない。品がある。けれどそういうのにさほど関心のない者には、退屈な美意識に感じられる。

 思わず笑うのは、朗読係に扮したレア・セドゥーの目だ。王妃を見つめるときのとろーんとしたそれが、催眠術にでもかかったかのようで…。ケイト・モス系の顔立ちで、基本はクリステン・スチュワート的仏頂面。時折笑みを浮かべるのにホッとする。王妃を演じるダイアン・クルーガーは、その凛とした美しさがピッタリだ。特に横顔が美しく、つんとした鼻のラインに高貴な匂い。彼女がなぜオーラ完全消失のヴィルジニー・ルドワイヤン(夫人役)に惹かれるのか、理解し難い。

 マリー・アントワネット映画と言ったもちろん、美術と衣装が見ものになる。彼女は主役ではないので、次から次へとドレスを変えるわけではないのが残念なものの、それでも出てくる度に目を奪う。ある会議場から出てくるときのゴールドスタイルは、大きく膨らんだ髪型や小道具の扇子も含めて、いかにもマリー・アントワネット!クルーガーの美貌も手伝い、一瞬時が止まる。





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