アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち

アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち “Another Happy Day”

監督:サム・レヴィンソン

出演:エレン・バーキン、ケイト・ボスワース、エレン・バースティン、
   トーマス・ヘイデン・チャーチ、エズラ・ミラー、デミ・ムーア、
   ジェフリー・デマン、シオバン・ファロン・ホーガン、ジョージ・ケネディ、
   ダイアナ・スカーウィッド、ダニエル・イェルスキー、マイケル・ナルデリ

評価:★




 結婚式で集まった家族の物語はというのは珍しくない。最近だと「レイチェルの結婚」(08年)が同じ設定の映画だった。親類関係が煩わしく感じられるのは日本もアメリカも同じ。近いからこそ、余計に傷つけ合う。抱えている問題が、余計に大きな衝撃となって襲い来る。

 おそらく人間ドラマとして描きたかったのだろう。コメディの要素が入れられたなら、なお良い。ところが、そんな作り手の思惑は大きく外れる。『アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち』は立派なホラーとなった。恐怖で見せるのではない。おぞましさで見せる。その発光源が主人公家族にあるのは、言うまでもない。

 主人公家族の全員に問題を持たせる。娘は自傷を繰り返し、なかなか外に出られない。息子その一はドラッグに塗れ、虚言癖があり、感情をコントロールできない。息子その二は自閉症気味で、自分でそのことを気にしている。母はそんな彼らに振り回され、かつ元夫との関係が悪化の一途を辿るばかりで気が狂いそう。物語はこうした問題だらけのキャラクターに寄り掛かるのみ。その闇の深さに切り込む気配はない。

 加えて彼らを取り囲む者たちをモンスターで固める。無神経にがみがみがなり立てる者あり、自己主張激しく攻撃的に攻め込む者あり、無関心の理由を相手に見つけ事が起こると責めるだけの者あり。おかげで主人公家族が虐げられているようにすら見えてくる。

 さらにはここに怒りと泣きが調味料として加えられる。人々は常に苛立っている。そうでないと思ったら泣き喚くだけ。つまりここではイライラとメソメソが常に衝突している。うんざりするのも無理はない。「奇人変人博物館」を通り越して、「嫌な人間博物館」の趣。

 とりわけ女優たちにはゲンナリさせられる。デミ・ムーアやエレン・バースティンも腹立たしいものの、エレン・バーキンが煩いの何の。彼女たちは皆、悲劇のヒロイン気取りだ。自己愛があまりに激しい。この配役なら素直に、バーキンとムーアを激突させる(だけの)ブラック・コメディにした方が面白かったのではないか。

 「家族をまとめるのは愛より死の力だ」というセリフが出てくる(口にするエズラ・ミラーが鋭い演技)。なるほど結末はそれを証明するかのようにまとめられている。ただ、機能不全の家族ドラマにおいて新味はない。それに納得し難い収束法でもある。あれだけ大騒ぎしておいて、結局全てを放り出し、観る側に委ねるというのは、どうにも腑に落ちないのだった。





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