ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館

ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館 “The Woman in Black”

監督:ジェームズ・ワトキンス

出演:ダニエル・ラドクリフ、シアラン・ハインズ、ジャネット・マクティア、
   リズ・ホワイト、ソフィー・スタッキー、ロジャー・アラム

評価:★★




 ダニエル・ラドクリフがオッサンになるのは早かった。ハリー・ポッターを演じ始めてたった数作で、いきなりオッサン化した。欧米の子役にありがちな現象だ(アメリカの最近の例で言うなら、ジョシュ・ハッチャーソン)。本人も周囲もそれを承知していたのか、『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』で演じるのは、四歳の男の子の父親ときたもんだ。それも男やもめ。随分思い切っちゃった。

 思い切ったは良いけれど、どうも見栄えがよろしくない。演技自体が年齢に見合ったそれに落ち着いているのは仕方ないにしても(目を見開く一本芸)、シルエットが美しくないのは辛いところだ。そうラドクリフ、子どものときと較べて、横には大人風に広くなったけれど、縦にはさほど伸びなかった。身体が大人でも子どもでもない中途半端なところを彷徨っている。それゆえシアラン・ハインズやジャネット・マクティアといった肉体的にも精神的にも充実した大人の役者と並ぶと、居心地の良さが感じられない。

 話はホラーに良くあるタイプ。まだ、電話が当たり前のようには設置されていない時代、幽霊にとり憑かれた屋敷を中心に怪現象が続発する。その屋敷では案の定、過去に悲劇が起こっていて、その怨念が人々を苦しめ続ける。黒服の女が恐怖の発生源だ。大変分かりやすい。

 ムード作りは上手い。ロウソク。汚れた窓や鏡。蜘蛛の巣。暖炉。蔦。写真。森。墓。十字架。…次々出てきては、ひんやりとした空気を停滞させる。ホラーにピッタリのアイテム。屋敷は水辺に建っていて、潮が満ちてくると、陸地から孤立してしまうという設定も良い。音も丁寧に切り取られている。同じ恐怖の繰り返しに過ぎなくても、身体の芯と恐怖が密着する。ただし、視覚効果は余計。

 ラドクリフが屋敷にいるとき、大半が一人きりなのも上手いシチュエーションだ。独り言の癖のない役柄なので、ラドクリフひとりが恐怖に慄く。もちろんラドクリフも驚く。けれど絶叫はしない。全てはその表情で悟らせる。深味のあるそれではない。でもギャアギャア喚かれるよりはよっぽど良い。

 構図が地味に凝っている。恐怖の基本は「後ろに幽霊が見える!」というシンプルなものなので、ラドクリフの背後に「余白」をさり気なく、かつ怪しく取らなければならない。照明の力も借りて、これがなかなかの効果を上げている。分かっていてもドキリとする。

 結末はこれで良いのか。せっかくラドクリフが何度も身体を張ったのに報われないとは…。いや、ひょっとしてこれはハッピーエンドなのだろうか。おそらく観る側に判断して欲しいということに違いない。それならばラドクリフの過去をもっと盛り上げて描くべきだった。一人息子との関係も弱い気がした。





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