ゲットバック

ゲットバック “Stolen”

監督:サイモン・ウエスト

出演:ニコラス・ケイジ、ジョシュ・ルーカス、マリン・アッカーマン、
   サミ・ゲイル、ダニー・ヒューストン、M・C・ゲイニー、
   マーク・ヴァレー、エドリック・ブラウン、バリー・シャバカ・ヘンリー

評価:★★




 サイモン・ウエスト監督とニコラス・ケイジと言ったら「コン・エアー」(97年)だ。ラスヴェガスの街中に飛行機を着陸させるというあんぽんたんアクション。ハリウッドのダメなところを全部詰め込んだような、真正面から大味な仕上がりだったけれど、それでもいかにも大金次ぎ込んでまっせ的な大スケールだけはスゴカッタ。あれから15年。彼らが再び組んだ『ゲットバック』はすっかりB級、C級アクションの趣。思い切りスケールダウン。あぁ、栄枯盛衰。

 予想はついていたものの、話は酷い。演出も酷い。娘を誘拐された元銀行強盗による救出劇。一見ケイジ版「96時間」(08年)のようだけれど、どの場面も中途半端かつ行き当たりばったり。オープニングの強盗場面はミスリードがヘタクソだし、FBIは人海戦術に頼るばかりの無能だし、娘は懐かしのアンナ・クラムスキーのバッタモンみたいだし、ジョシュ・ルーカスはドクター・マシリトみたいだし、ニューオーリンズの街並もパレードも生かされないし、金塊強奪は簡単に成功し過ぎだし…。

 いちばん恥ずかしいのは、こうした失敗の数々をウエストがカッコ良いと思っていることで、それが透ければ透けるほどコントにしか見えなくなってくる。FBI役のダニー・ヒューストンなんて、ずっとハットを被っていて、完全にハードボイルド気取り。でもせいぜい、時代錯誤のおのぼりさんだ。

 ただ、ケイジはいつものように笑わせてくれるので、気分は寛容なものとなる。いや、ケイジはホンキだ。けれど、ケイジがカッチョ良くキメればキメるほど、そのマヌケさが際立つ。マヌケなんて言うと、ケイジをバカにしているみたいだけれど、とんでもない、これは褒め言葉だ。だってアナタ、横顔の下唇の突き出しだけでこんなに可笑しくて良いのか。

 そんなわけでウエストの気の抜けた演出力とケイジのマヌケさのおかげにより、どの場面もちっとも深刻にならない。いくらシリアスな展開でも、一向に緊迫感が盛り上がらない。もちろん欠点だ。欠点だけれど、なんだか憎めない欠点だ。ケイジなんて、まもなく息絶えようというときでさえ、全く可哀想に見えない。

 ケイジの走り方が好きだ。「コン・エアー」の頃からそうだった。走ると筋肉の上にうっすらついた脂肪がたぷたぷ揺れる感じが面白いから(場合によっては気持ち悪くて、でもそれが面白い?)。セントバーナードが頬を揺らしながら走る画を思い出す。『ゲットバック』でもケイジは走る。なんだかホッとする。ケイジがどれだけしょーもないバカアクションに出ても一向に嫌いになれない理由がここに通じているような気がする。あぁ、ケイジよどこまでも行くが良い。でも時々は見応えのある作品にも出てくれ。





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