最高の人生の選び方

最高の人生の選び方 “The Open Road”

監督:マイケル・メレディス

出演:ジェフ・ブリッジス、ジャスティン・ティンバーレイク、
   ケイト・マーラ、ハリー・ディーン・スタントン、ライル・ラヴェット、
   メアリー・スティーンバージェン、テッド・ダンソン

評価:★★




 病に倒れた母が息子に言う。「お父さんに会わせて欲しい」。息子は願いを叶えようと、離れて暮らす父を迎えに行き、車の旅に出る。オハイオからヒューストンまで。途中メンフィスに迷い込みながら…。久しぶりの再会が彼らの心のどこかを震わせる。…というわけで、『最高の人生の選び方』は実にロードムービーらしいロードムービーだ。

 作りは丁寧だ。丁寧だけれど退屈なのはエピソードの一つひとつが薄っぺらだからだ。無責任を絵に描いたような父親と仕事がスランプの息子。父は殿堂入りするほどの野球の元スター選手。息子もその後を追うように野球を生業にしている。似ているような似ていないような、長嶋茂雄・一茂のようなふたりが、衝突を何度も繰り返す様を繰り返しているに過ぎない。

 多分車の中という空間が生み出す効果に頼り過ぎている。車内というものは通常よりも人と人の距離が近くなる。それゆえそのバランスが簡単に崩れる。ロードムービー特有の効果に寄り掛かり、しかし寄り掛かったままでそこから先の領域に足を踏み入れようとしない。赤いハマーの中には、息子の元恋人で、現恋人にプロポーズされたばかりという女もいるというのに、ちっとも盛り上がらない。それぞれの距離が一定のそれをキープして、全然揺るがない。

 明かされる父と母の馴れ初め。一緒に来てくれた女と息子の関係。野球のこと。将来のこと。可能性のこと。交わされる会話を「イイハナシ」風にまとめているものの、結局それはポーズをつけているだけに過ぎないため、胸に迫るものがない。「生きることは失敗の連続だ。それに立ち向かっていくことが大切だ」。「人は生きている内、たった一人運命の人に出会うの」。いかにも「イイハナシ」用のセリフが使い捨てにされる。

 だからこれはもう、思い切って新旧スターが共演がする、その眺めを楽しむに限る。父親をジェフ・ブリッジス、息子をジャスティン・ティンバーレイクが演じる。ブリッジスはいつも通り、余裕たっぷり。「調子は?」と聞くと、「猟犬の背中のダニよりはマシだ」と答える男を楽しげに演じている。この人の場合、もはや存在が「詩」に近い。どれだけだらしなくても、魅せてしまう。

 ティンバーレイクはあの細い身体が全く野球選手に見えなくて可笑しい。声は甲高く、佇まいは情感に欠ける。ブリッジスと並ぶと、そのひよっこぶりが強調される。でもそれが良い。ブリッジスに振り回されてアタフタするのが、好きな女につれなくされて子犬のように哀しい目をするのが、お似合いだ。ブリッジスがそんなティンバーレイクを優しく見守っている感じはよく出ている。それこそがこの映画の命かもしれない。





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