フライペーパー! 史上最低の銀行強盗

フライペーパー! 史上最低の銀行強盗 “Flypaper”

監督:ロブ・ミンコフ

出演:パトリック・デンプシー、アシュレイ・ジャド、メキ・ファイファー、
   ティム・ブレイク・ネルソン、プルイット・テイラー・ヴィンス、
   オクタヴィア・スペンサー、マット・ライアン、
   ジェフリー・タンバー、ジョン・ヴェンティミリア、
   カーティス・アームストロング、ロブ・ヒューベル

評価:★★




 とある銀行が舞台になる。閉店時間間際、銀行員と数人の客だけしかいない寂しい空間。そこに現れるのが二組の強盗だ。一方は完全武装のデキる三人組。もう一方は覆面すら装着しないマヌケ面の二人組。突如始まる銃撃戦。さて、その後は…。『フライペーパー! 史上最低の銀行強盗』は断わるまでもなく、コメディだ。

 細部の創り込みに面白いところがある。強盗たちが指名手配ランキングの順位に一喜一憂する件。マヌケ面二人組が互いをピーナッツバターとジャムで呼び合う件。人質をチーム分けする件。人質側もいまいち緊迫感に欠けていて、大胆不敵に銀行内をうろちょろ、強盗の計画を探りにかかる。

 強盗の中でもバカ二人組がとても良い味を出している。ティム・ブレイク・ネルソンとプルイット・テイラー・ヴィンスが性格俳優らしいくすぐりを入れてくる。常日頃ヌケた顔立ちのネルソンはともかく、ヴィンスは映画界屈指の強面でありながら、妙に可愛いらしく撮られている。互いを信頼し合う純粋バカの匂いが愉快だ。ちょいとゲイ的匂いが漂うのもアクセント。デキる三人組強盗の方がちっとも賢く見えないのをきっちりフォローしている。

 どうしてキャラクター重視の喜劇を目指さなかったのか、不思議だ。人間関係が整理され、いよいよ話が動き始めるあたりになって、突如推理劇の趣が強くなる。銃撃戦でひとりの客が死んだのをきっかけに、偶然に思われた強盗の鉢合わせの裏が見えてくる。誰と誰が繋がっているのか。誰がタクトを振っているのか。人質にしか見えなかった面子も何かを隠している。物語性を出したい気持ちは分かるものの、その結果笑いが犠牲になった感は否めない。

 脚本の練り込みが不足しているのだろう。散りばめられた伏線を回収することはできても、笑いが広がっていかないもどかしさ。事件の背後にヴィセラス・ドラムなる人物がいることが分かる。彼は「ユージュアル・サスペクツ」(95年)におけるカイザー・ソゼのようなものだ。せめてこの人物の輪郭をもっと豪快に浮上させるべきではなかったか。

 パトリック・デンプシーの動かし方にも不満がある。ただそこに居合わせただけ男が実質主人公として、銀行内の彼方此方を動き回る。数字にこだわるところ、薬を飲まなければ発作が起きるところ、発作で何が起こるのか分からないところ…等々、他のキャラクターよりも念入りに描き込みがされながら、そのほとんどが活かされないままに終わる。これでは話を進めたいがゆえに、命知らずにでしゃばっているだけではないか。デンプシーのにやけた個性も無視される。

 おそらくスリラーの要素も狙ったのが拙かった。コメディはコメディでもバカコメディを目指すべきだった。オクタヴィア・スペンサーのような面白い存在を無駄にするなんて、本当に勿体無い。





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