シャドー・チェイサー

シャドー・チェイサー “The Cold Light of Day”

監督:マブルク・エル・メクリ

出演:ヘンリー・カヴィル、シガーニー・ウィーヴァー、ブルース・ウィリス、
   ヴェロニカ・エチェギ、ジョセフ・マウル、キャロラリン・グッドオール、
   ラフィ・ガヴロン、エマ・ハミルトン、マイケル・バッド、ロシュディ・ゼム

評価:★★




 ブルース・ウィリスがアッという間に退場してしまうから驚く。主人公の父親として登場するウィリスは、序盤の序盤に一暴れしたところであっさり銃弾に倒れる。一暴れなんて言っても、画面が暗くてウィリスがどんな活躍をしたのか判断し辛い。その程度の動きを見せて消える。しかし、それよりももっと衝撃的なのは、ウィリスの息子がヘンリー・カヴィルという点だ。タコ入道から正統派美青年の誕生。遺伝子の摩訶不思議。

 『シャドー・チェイサー』は最初からB級映画の線を狙った映画だ。父の正体を知り、母と弟を誘拐された青年が、その救出のためスペインの街を奔走する。アクションやサスペンスを次々畳み掛け、整合性は後回しにして、視覚的な刺激を優先する。もちろんその中心には活きの良い若手スターを置く。オスカーになんか絶対に絡まない。だけれど、ちょっとした暇つぶしには良いんじゃない?ディナーには物足りなくても、三時のおやつには手頃だろう?作り手がそれを意識しているのが透けている。野暮だけれど、まあ、寛容な気分。

 ただ、主人公を現実的に見せるという選択は、どう考えても誤りだ。青年は完全なる一般人。ゆえに特殊な能力一切なし。命を狙われることなんて初めて。だからピンチになったら右往左往するしかできない。…という「リアリティ」が律儀に守られる。いや、銃で人を撃つし、高いところからダイヴもする。カーチェイスも見せる。けれどいずれもが、一般人が無理してやってます的微笑ましさで、もうひとつカッコ良くキマらないのだ。そんな「リアリティ」を大切にしてどうする。せっかくガタイの良いカヴィルを主演に置いたのだ。思わず大笑いしてしまうくらいの振りつけアクションやキメポーズで暴走させるべきだった。泣き顔なんて要らない。

 主人公のフツーさが強調されているからなのだろうか。カヴィルが息苦しそう。半裸になっているときはそこそこ魅せるものの、Tシャツとジーンズになると、途端にカッコ良い一般人の兄ちゃんと化す。半裸のときのスター性はどこに行ったのだ。走るフォームがイマイチなのもどうか。足はガニマタ気味だし、腕の振り方が滅茶苦茶。監督よ、それぐらい指導してくれ。

 あっさり消えてしまうウィリスの代わりに出番が多いのは、悪役シガーニー・ウィーヴァーだ。ヘナチョコのカヴィルを甚振って楽しそう。背筋をピンと伸ばし、声を荒げないままにカヴィルを脅すのがキマッている。一切隠すことをしないシワシワの顔も大迫力。惜しいのはウィリスとの激突場面がなかったこと。ウィリスとウィーヴァーの肉弾戦、とんでもなく怖いものになりそうで見てみたい。そうだ、ウィーヴァーよ、「エクスペンダブルズ」シリーズに悪役で出るっていうのはどうだ。

 それにしても舞台がマドリードだというのに、全くスペインに見えない。スペイン語だってばんばん飛び交っているというのに。見せ方の問題なのだろうか。人質としての役割しか果たさない家族、目立ち過ぎる街中での暴走、判明する美女の正体…それら同様、突っ込みながら眺めるのが正しい見方か。その際にはぜひ寝っ転がっておきたい。もちろん傍らにはポテトチップス プリーズ。





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