SAFE セイフ

SAFE セイフ “Safe”

監督:ボアズ・イェーキン

出演:ジェイソン・ステイサム、キャサリン・チェン、ジェームズ・ホン、
   クリス・サランドン、ジョセフ・シコラ、ロバート・ジョン・バーク、
   レジー・リー、アンソン・マウント、サンドール・テクシー

評価:★★




 僅かに意表を突かれる。ジェイソン・ステイサムが涙を流すのだ。あまり強く見えない男たちにタコ殴りにもされる。賭博専門の格闘家に落ちぶれ、妻を殺され、二言三言話しただけの他人も殺され、ホームレスとなり、遂には自ら命を絶とうとする。あぁ、なんて女々しいステイサム。こんなの、ステイサムじゃない!

 …なんて落胆する必要は、もちろんない。一旦身体が動き出せば、おやまあ、いつものステイサムがそこにいる。ノータイに白シャツ、そしてシワなしスーツをかっちり着こなし、涼しげではない顔を無理矢理涼しげに見せながら、アクションを矢継早に繰り出してくる。そうこなくっちゃ!

 ステイサムはこれと言って特徴的な顔立ち、佇まいではない。強いて言うなら、ハゲ頭に目が行くぐらいだ。しかし、彼が出演する映画は、全てがステイサム映画の何物でもない。それはおそらく身体の動かし方に美学のようなものが宿っているからだろう。走る地下鉄の屋根に上ったり、飲食店のテーブルを投げつけたり、他の映画でも見かけそうなアクションでも、ステイサム色に染まると、奇妙に新鮮に映ることがある。バックミラーを意識したカーアクションも、鮮度抜群とは言わないまでも、そこそこ魅せる。

 オリンピック出場の噂が出るほどの飛び込み選手だったことが、そんなに強力な財産になっているのだろうか。ボアズ・イェーキン監督は極力カット割りを細かくするのを避けているように見受けられる。できる限りステイサムのホンマモンのスタントを活かした画面作りを狙っている。銃を構えるだけでも綺麗なのだから、納得だ。ただ、人が過剰に死んでいくのはどうか。暴力の見せ方はもっと工夫の余地がある。

 話に気を回すような映画ではないけれど、数字の記憶力が抜きん出ている中国人少女が出てくるのは、一応ポイントと言えなくもない。ステイサムと少女の逃避行。有難いことに「レオン」(94年)のような感傷メルヘンの匂いはない。少女がアジア的審美眼からするとさほど可愛らしくない上、ステイサムが手を引こうとすると「5歳じゃないのよ」と言ってのけるような子だからだ。涙の代わりにふてぶてしさで勝負。それゆえ孤独な魂同士のふれあいの匂いは薄くなったものの、まあいいじゃないかと寛容な気分。メソメソイジイジはステイサム映画の敵だ。

 そんなわけで結局、『SAFE セイフ』はいつものステイサム映画だ。結構結構。酒と女さえあればそれで幸せ。そういう価値観に通じる快楽が散りばめられれば、問題ない。





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