ロラックスおじさんの秘密の種

ロラックスおじさんの秘密の種 “The Lorax”

監督:クリス・ルノー、カイル・バルダ

声の出演:ダニー・デヴィート、ザック・エフロン、エド・ヘルムズ、
   テイラー・スウィフト、ロブ・リグル、ジェニー・スレイト、
   ベティ・ホワイト、ナシム・ペドラッド

評価:★★




 意外に珍しいのではないかと思ったのは、画面がオレンジを基調にした色合いになっている点だ。CGアニメーションだと原色は印象的に使われることが多い。けれどここでは、オレンジの主張が最も強い。命の象徴である森はグリーンではなくオレンジ一色。トラッフルと呼ばれる綿菓子風の木もオレンジ。魚や鳥もオレンジだし、クマの茶色は限りなくオレンジに近い濃淡が選ばれている。オレンジ効果による温か味は良く出ている。

 もちろんタイトルロールのロラックスおじさんもオレンジだ。しかも毛の柔らかさと相性が良い。眉毛ぼーん、髭ぼーんの森の番人。おじさんだけれど可愛らしく、ちょこまかした動きは可笑しい。まるでオレンジのフェルトでできているかのような外観で、触り心地が良さそうだ。

 『ロラックスおじさんの秘密の種』のテーマは実に単純明快。自然を大切にしようというものだ。便利でもどこか味気ない世の中。それは自然が足りないからだ。スニードヴィルというその町は、全てが人工。何もかもがプラスティックでできている。空気も汚れている。綺麗な空気を手に入れるためには、独占販売している町の有力者から買わなければならない。その町に住むひとりの少年が、女の子の心を手に入れるため、町に緑の木を、いやオレンジの木を取り戻そうと奮闘する話だ。

 アニメーションとは言え、ここまで直球の話もなかなかない。ひょっとするとアメリカではこれぐらい分かりやすくしないと、環境危機を理解して貰えないのかと呆れる。しかし、それよりも気になるのは、分かりやすさを追求したゆえに、説教臭い話になってしまった点だ。先生が小学一年生に言い聞かせるかのような語り口で、環境保全の大切さが説かれていく。退屈な授業を受けている気配もうっすら。

 メッセージは分かる。分かるけれどしかし、画面はそれに同調するようなものにはなっていない。プラスティックの町が綺麗で美しくて、はっきり言ってしまうと、アニメーションで眺める分には魅力的なのだ。ぴかぴかつるつるの輝き。もちろんロラックスおじさんの森も綺麗だ。しかし、同じくらいプラスチックの町も吸引力を持っている。CG特有の混じり気のない色合いが、完全に裏目に出た。これを視覚的にも否定しろと言われても難しい。

 もしかしたらこれは、実写の方が伝わりやすい題材なのかもしれない。アニメーションにこだわるなら、昔ながらの手描きがベストか。どうしてもCGを使いたければ、手描きとミックスして表現するという選択もありだろう。物語を頭から追い出して、絵柄だけ楽しむ…という見方を強いられるのは寂しい。





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