ピンチ・シッター

ピンチ・シッター “The Sitter”

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演:ジョナ・ヒル、サム・ロックウェル、マックス・レコーズ、
   アリ・グレイナー、J・B・スムーヴ、ランドリー・ベンダー、
   ケヴィン・ヘルナンデス、カイリー・バンバリー

評価:★




 オープニングでいきなり映し出されるのが、ジョナ・ヒルがベッドで横になる女のアレを「奉仕」する場面だからギョッとする。行為に驚いたのではない。もしかしたらヒルはモテる役どころなのだろうかと困惑したのだ。ヒルは思い切りカッコつけている。しかし、それが持続しない。このまま勢いでイケるとばかりに、今度は女に自分を「奉仕」するよう懇願する。そしてあっさり断わられる。その後、ヒップホップに乗せて愛車を運転するヒルが映し出される。愛車とは自転車だ。あぁ、やっぱりヒルはヒルだった。

 『ピンチ・シッター』はいつも通りカッコ悪いヒルが三人の悪ガキのベビーシッターになり、彼らに振り回される様を描くコメディだ。大人が子どもの暴走ににてんてこ舞いになる映画というのは、「ホーム・アローン」(90年)の例を挙げるまでもなく、枚挙に遑がない。その上この映画は、腕白であることと常識知らずであることをしたり顔で混同する。メイクで子ども娼婦のようになったり、何かを見つけては薬品で爆発させたり、フロアのど真ん中で小便したり…。おまけに彼らは、当然のように主人公のお荷物になる。

 ベビーシッターの一夜、ヒルと子どもたちがコカイン絡みの冒険を繰り広げながら心を通じ合わせていくという定番の展開が面白くない。どれだけわがままに振る舞ったとしても子どもは天使。その言動の奥底には親の不貞や養子問題、セクシャルな悩み等が隠れていて、それに気づいてあげれば良いのだと語り掛ける。何と面倒臭い子どもたち。ヒルには心から同情する。…と思ったらヒルにもまた、ぐうたら生活に理由があることが示唆される。勘弁してくれ。

 この子ども賛美的物語に装飾されるのは下ネタだ。それも子どもが喜びそうな下ネタだ。過激なような抑えられているような中途半端な表現の中、排泄ネタやエロネタが次々投下される。子どもがいてもお構いなし。笑えるのではなく居心地の悪い気分になるのも仕方がない。

 ドラッグディーラーを演じるサム・ロックウェルは、唯一の見ものと言って良い。ブリーフのようなふんどしのような奇怪な下着で画面に現れるロックウェルが、悪役で楽しそうに遊んでいる。怒りと笑いを混在させた表情で画面をかき乱す。途中から普通の格好になってしまったのが惜しい。もっとバケモノ的大暴れをさせても良かったのに。

 デヴィッド・ゴードン・グリーンは「スモーキング・ハイ」(08年)でもドラッグ絡みの話を笑い飛ばしていた。しかも面白かった。それと何が違うのだろう。多分ここには愛敬が足りない。話が進めば進むほど、笑みではなく苛立ちが募る。子どもの描き方を間違えたのが痛かったと見る。





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