プレデターズ

プレデターズ “Predators”

監督:ニムロッド・アーントル

出演:エイドリアン・ブロディ、トファー・グレイス、アリス・ブラガ、
   ローレンス・フィッシュバーン、ダニー・トレホ、ウォルトン・ゴギンズ、
   マハーシャラルハズバズ・アリ、オレッグ・タクタロフ、ルイ・オザワ

評価:★★★




 「今更プレデター?」とどうしても思ってしまうし、「エイリアン VS. プレデター」(04年)で思い切り笑いに走っていたのにまたシリアス路線に戻るのも疑問に感じるし…、とにかく『プレデターズ』にはマイナスの先入観がビッシリ頭にこびりついていたのだけれど、意外や意外、案外娯楽的な工夫がたっぷり散りばめられているではないか。A級映画の傑作とは全く言えないものの、B級映画の佳作として認めていいかもしれない。

 そもそもの設定が可笑しい。主人公のエイドリアン・ブロディが空から落ちてくるところから始まる。目覚めると空から落ちている自分にブロディはビックリ、パラシュートが開いていきなりジャングルの中に放り出されるのだ。しかも、同じ状況の者が何人もいる。一体なぜ。この唐突にして不条理な設定は「CUBE」(97年)や「ソウ」(04年)を連想させる。彼らは戦闘能力の高い者たちばかりで、いきなり襲ってくる何者かに抵抗しながら、何が起こっているのかを探っていく。

 ここでポイントになるのはアーノルド・シュワルツェネッガーは出てこないということだ。特殊部隊にいたり囚人だったり戦いに慣れた者たちが揃えられているけれど、彼らは人間らしさを失っておらず、それゆえに緊張感がなんとか持続している。何しろ中心となるのはブロディだ。脱ぐと立派に筋肉質なのだけど、一見それほど逞しくはないブロディが、冷徹さを持った男を冷静に演じている。戦士たちがアメリカばかりじゃなく各国から選ばれているのも面白く、その中に日本人がいるのもちょっと嬉しい気分。ヤクザという設定はやめて欲しかったけど。

 前半は彼らの紹介と置かれている状況の究明が戦いを通してじっくり描かれる。これだけで最後まで持たせるのは難しいと思ったところに、新たなる登場人物としてローレンス・フィッシュバーンが投入されるのが巧い。彼らより前から同じ状況下にいたフィッシュバーンが出てくることで、人間関係がジワジワ動き出していくのだ。それぞれの別の一面が露になっていくところに、新しいサスペンスが生まれる。尤も、人間の醜悪さを痛烈に突きつけるほどの衝撃はない。

 しっかりした骨格を持っている。持っているけれど、やっぱりプレデター、珍場面がたっぷり出てくるのが嬉しい。プレデター同士の取っ組み合いも可笑しいし、仕掛けられたトラップがアナログなのも微笑ましい。プレデターが人間狩りをして楽しんでいるというのもバカバカしくて良い。しかし、それ以上に笑撃的で、かつ驚愕してしまうのは、日本人戦士のヤクザ(ルイ・オザワと言うらしい。なかなかの面構え)が、薄暗い空の下、膝丈ほどの草が生い茂る中で、プレデターと一対一で対決する場面だろう。このヤクザ、なぜだかスーツ姿で登場して無言で小さなピストルを撃つばかりなのがじれったいのだけれど、この場面では日本刀を使ってプレデターに斬り掛かるのだ。映像も途端に引きの絵になるわ、音楽もそれらしいのが突然流れ出すわ、ほとんど決闘の雰囲気だわで、演出もノリノリ(ちゅーか、作中最も演出に力が入っていないか?)。この奇妙にしてとんでもない絵面が嬉しくて嬉しくて。そうこなくっちゃ。

 基本的に人間の武器が(ヴァリエーションに富んでいるとは言え)銃ばかりなのは、嫌な気分になった。「プレデター」に限らず80年代のアクション映画の軽蔑すべきところを受け継いでいるようで、最初こそ懐かしい気分を誘われたけれど、次第に飽きてきて、最後には不快になる。このあたりは新たなる工夫が欲しかったところだ。





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