イントルーダーズ

イントルーダーズ “Intruders”

監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ

出演:クライヴ・オーウェン、カリス・ファン・ハウテン、
   ダニエル・ブリュール、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、
   エラ・パーネル、イサン・コルチェロ、ケリー・フォックス

評価:★★




 顔なし怪人は目覚めました。…と伝説を読み聞かせるようなセリフから『イントルーダーズ』は始まる。その直後に映し出されるのは、工事中のアパートの一室に住む母と少年の姿だ。怪人はまず、このふたりを狙う。目も鼻も口も持たない怪人は、理想のそれを求めて部屋に足を踏み入れる。怪人の正体は何だろう。オーソドックスな謎が軸に置かれる。

 怖がらせ方に工夫はない。暗闇の中から出没する怪人は、まるで「スクリーム」(96年)の犯人のような素早い動きでターゲットに忍び寄る。腕力もある。脚力もある。神出鬼没ゆえ、この世のものとは思えない。見ず知らずの他人が突然部屋に現れたら恐ろしい。その感覚を大切に、怪人は目的を果たそうとする。特に子どもは敏感に怪人に反応する。怪人も敏感に子どもを見定める。基本だ。

 怪人の姿形は工夫の余地がたっぷりある。薄汚れた黄土色のフードを被り顔を隠した怪人は、死神の匂いを漂わせているけれど、それ以外に特徴らしいものがなく、何度も現れるとさすがに恐怖は薄れていく。洋服箪笥に隠れていたり、突然背後から現れたり、やはり動きで勝負の怪人なのだ。暗闇で存在を誤魔化しているように見えるのは苦しいところ。

 …とこのまま最後まで突っ走ると単なる怪奇ホラーになるのだけれど、目指すところは怪奇ロマンの方にあるようだ。ポイントは怪人が出没するのが二箇所ということだ。一箇所は前述の古びたアパートに、もう一箇所は一戸建ての屋敷に現れる。前者では7歳前後の少年が、後者では12歳になったばかりの少女が狙われる。怪人に襲われる恐怖が交互に描かれる。少年側は神父に助けを求め、少女側は警察に相談する。そうして二箇所の物語がいつしか擦り合わされ、思いがけない真実が浮かび上がる。

 怪人を倒すにはどうしたら良いのか。トラウマがモノを言う物語だということが読めてくる。全く無関係に思えたエピソードが突如伏線として浮上し、ツイストの効いた展開を「フォリアドゥ」という聞きなれない言葉が接着する。これをなるほど上手いと感心できるかどうかが評価の分かれ目。おそらく大半は脱力を誘われるのではないか。特に少女が襲われる件に見える真実は、ほとんど禁じ手に近い。ホラーとして見せているのだから、なおさらだ。

 いちばんの見ものは少女を演じるエラ・パーネルだ。幼い日のヴァネッサ・パラディを連想させるパーネルは、子どもと大人の境目にいる。時折ゾクッとするほどの色気を見せるのに驚く。父親役のクライヴ・オーウェンが彼女に襲い掛かるのではないかと、余計な心配をしてしまうくらいに。怪人がこの色気に惑わされないのも、大いに不思議なところだ。





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