プロメテウス

プロメテウス “Prometheus”

監督:リドリー・スコット

出演:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリズ・セロン、
   ガイ・ピアース、イドリス・エルバ、ローガン・マーシャル=グリーン、
   ショーン・ハリス、レイフ・スポール、エミュ・エリオット、
   ベネディクト・ウォン、ケイト・ディッキー、ブライアン・ドナーリー

評価:★★




 リドリー・スコットが「エイリアン」(79年)の前日譚を手掛けるらしいという話は、製作のかなり早い段階から噂されていた。『プロメテウス』は確かに、「エイリアン」と無関係ではない。ただ、エイリアンの大暴れは期待しない方が賢明だ。スコットの興味は、「人類の起源はどこにあるのか」という点に、迷いなく向いているからだ。

 ところが、起源云々について、もうひとつスカッとしない。どうやらこれは、何部作かにまたがるサーガのプロローグに過ぎないようで、分かることと言ったら、人類の始まりに何が関わっていたのかということぐらいだ。謎解きの初期段階を取り上げるだけで終わっている。初めて降り立つ星での冒険と、その資金を提供する富豪をめぐる陰謀も、上手く絡まらない。…となると、物語から充実を得るのは難しい。

 すると結局見所は、ヴィジュアルということになる。宇宙船プロメテウス号の内装。ハイテクを駆使した調査や通信。突如巻き起こる巨大な砂嵐。そびえ立つ人物岩。怪しく動く謎のクリーチャー。とりわけ終幕の、未知なる生物側の宇宙船が絡んだスペクタルは、いかにもスコットらしいスケールで描かれる。まあ、大きさで勝負という気配が漂うのには苦笑するしかないけれど…。

 話の中心人物エリザベス・ショウはノオミ・ラパスが演じる。役柄は言わば、「エイリアン」におけるエレン・リプリー(シガーニー・ウィーヴァー)だ。つくづく思うのはスコットは「強い女」にさほど興味がないということで、ラパスもここでは歴史の目撃者、或いは被害者としての用しかなしていない。「脅威」を発見してからは、特にその傾向が強まる。リプリーも一作目では、ほとんどエイリアンに甚振られるだけの存在だった。

 スコットが力を入れて演出するのは、ラパスではなくマイケル・ファスベンダーだ。人間をサポートするアンドロイド、デヴィッドとして登場する彼は、コメディリリーフとしての役目を果たしながら、事態を混乱に導く不穏な動きで目を釘付けにする。話の局面を変える重要な場面では、必ず彼が動いている。映画好きという設定も良い。どのキャストもファスベンダーと絡む時が最も楽しそうだ。

 オープニングは意表を突く。自然の雄大さを捉えたカットが次々畳み掛けられる。人間の小ささを痛感する画だ。地球にはまだ見ぬ景色がごまんとある。…と感慨を抱いた直後に映し出されるのは異星人だ。それも限りなく地球人に近い容姿。おそらく男だろう。真っ白な肌のその異星人は、毒薬と思しきものを口にして絶命。そして遺体は濁流の中へ。ますます個々の命の小ささを感じ入る。そして早速、打ちのめされる。しかし、これが話のどこに繋がっていくのか、明らかにされない。

 …という作りからも明白なように、この映画の真価は、まだ分からない。単体としてはさほど思うところはないものの、今後の展開次第では大きな意味が浮上するのかもしれない。そのときにはおそらくまた、デヴィッドが活躍するだろう。エリザベスも違う表情を見せるのだろうか。映画の世界観に興味を持たせてくれたことは確かだ。





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