遊星からの物体X ファーストコンタクト

遊星からの物体X ファーストコンタクト “The Thing”

監督:マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア

出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン、
   アドウェール・アキノエ=アグバエ、ウルリク・トムセン、
   エリック・クリスチャン・オルセン、トロンド・エスペン・セイム

評価:★★




 ジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」(82年)はSFホラーの古典として、確固たるポジションを獲得しているらしい。亜流と言って差し支えないB級映画が大量生産されているし、この『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のような前日譚までできるのが、その証拠だ。まあ、カーペンター版も52年映画のリメイクなわけだけれど、カーペンター特有のユーモラスな個性を好きな者としては、ちょいと嬉しいことに変わりない。

 『ファーストコンタクト』のチームがカーペンター映画を愛していることは間違いないだろう。オリジナルからの設定を大切にしながら、新しい物語を創造する。そうした目配せがいつしかオリジナルに酷く似た皮膚を形成していく。イミテーションと言うかニセモノと言うか、思い入れがが結局、オリジナルと同じ着地点を見つける。前日譚でありながらリメイクに見えるという、不思議な事態。偶然なのか、英題も「The Thing」で、丸っきり同じ。

 類似作品の増産のせいもあって、もはや設定にも新味は感じられない。人間の身体を乗っ取ってしまうエイリアンが登場、人々は誰がエイリアンなのか疑心暗鬼になる。今となってはどこにでも転がっているプロットと言えるだろう。

 しかし、それでも思わず息を呑むのは、人間の身体からエイリアンが姿を現したときの画だ。そもそものエイリアンのデザインは分からない。人間を取り込んだ状態で現れる。エイリアンの身体と人間の身体が合体した、異様な画が出現する。地獄絵、或いは終末的。とにかく一度見たら忘れられない。とりわけふたりの人間を取り込んだエイリアンが強烈だ。不快さスレスレ。いや、もう不快領域に踏み込んでいるかもしれない。

 オリジナルにはなかったように思うけれど、エイリアンの判別手段として、無機物はコピーできないという弱点が使われるのがユニークだ。歯の治療跡が効いてくる。クライマックスでも意味を持たせているのは正解だろう。
 動きが早いのはどうか。昨今のハリウッドの病。スピードを強調したいがためにやたらスピーディに動かした結果、ヴィジュアルを愉しむ余裕を奪われる。エイリアンの宇宙船の内部がほとんど出てこない、南極の寒さが活かされない、という点と共に大いに反省するべきところだ。

 出てくる男たちが揃いも揃ってヒゲ面のクマ系なのにはマイッタ。防寒対策ということなのだろうけれど、誰が乗っ取られているのか迷う前に、「アンタ誰?何て名前?」と尋ねたくなる愚かしいことに。間違ったリアリズムのせいで、変に集中力が途切れる。





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