空飛ぶペンギン

空飛ぶペンギン “Mr. Popper's Penguins”

監督:マーク・ウォーターズ

出演:ジム・キャリー、カーラ・グギノ、アンジェラ・ランズベリー、
   クラーク・グレッグ、オフィリア・ラヴィボンド、マデリン・キャロル、
   マックスウェル・ペリー・コットン、フィリップ・ベイカー・ホール

評価:★★




 「皇帝ペンギン」(05年)や「ハッピー フィート」(06年)を観ても分かるように、ペンギンは愛らしい生き物だ。黒と白という極めてシンプルな色を実にエレガントにまとっている。口元の赤と足の黄色が絶妙のアクセント。白黒が切り替わる胸の部分が、ハート型に見えるのも良い。長い胴体と短い足をちょこまか動かして行進する可愛さは、ほとんど反則ではないか。

 『空飛ぶペンギン』には6羽のペンギンが出てくる。ただし、南極ではない。人が溢れるニューヨークというのがポイントだ。受付のいる高級マンションに突如表れたペンギンたち。大都会とペンギンという大凡不釣り合いな組み合わせが生み出す可笑しさに賭けていると言って良い。

 実際、可愛らしく、可笑しい。無機質で味気なかった部屋が、ペンギンが入ることで途端に別の表情を見せる。風呂に氷を入れてもらい、雪を降らせてもらい、トイレで水を浴び、大好きな魚もたっぷり。床はピカピカだから、ちょいと濡らしてもらえば、腹で滑ってちょっとしたジェットコースター状態。ペンギンたちと遊びたいと思うのは、子どもだけではないだろう。チャーリー・チャップリン映画が好きというのも、なるほどナイスなギャグだ。

 このペンギンの可愛らしさはもちろん、彼らの素の魅力から来ている。それなのに作り手は、大きな過ちを犯す。本物のペンギンはこちらの狙い通りには動いてくれないのだろう。しかしだからと言って、CGを多用するというのはどういうことか。躍らせたり、飛ばせたり、都会の彼方此方で走らせたり…という画を撮るために、CGでペンギンを創造してしまった。補助的に…ではない。CGをメインにペンギンを創造する。けれど、いくら技術が進歩したところで、本物のペンギンの魅力に敵うわけがない。観る方もそれぐらいの区別はつく。結果、CGペンギンにがっかりする画が続くことになる。

 物語はいたって平凡にまとめられている。仕事ばかりで家庭を顧みずに離婚した中年男が主人公。彼がペンギンの力を借りて、元妻、娘、息子の心を取り戻す様が、何の意外性もなく綴られる。せめて思い出のレストランの絡んだエピソードはもっと突っ込んだ描写が欲しかった。無理矢理ペンギン話に放り込んだようで、息苦しく感じられる。

 中年男を演じるジム・キャリーは、いつものように全身ラバーマン的能力を活かした役作りを見せているけれど、見事にペンギンに喰われている。ペンギンが同じ画面に入ってくると、どうしてもそちらに目が行く。おそらくキャリーも喰われるのを承知の上で、役を受けたはずだ。ペンギンの魅力は老若男女、誰にでも通じるものなのかもしれない。





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