エターナル 奇蹟の出会い

エターナル 奇蹟の出会い “Vykrutasy”

監督:レヴァン・ガブリアーゼ

出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、コンスタンティン・ハベンスキー、
   イヴァン・アーガント、セルゲイ・ガルマッシュ、ウラジミール・メニショフ

評価:★★




 ロシアではストリートキッズが社会問題になっているのだろうか。パリチキという聞いたことのない田舎で、親に棄てられ、路上暮らしを強いられている子どもがわんさか出てくる。生きるためには犯罪行為にも走る彼らが、サッカートーナメントに挑む物語。『エターナル 奇蹟の出会い』という邦題から連想するような、甘さはゼロに近い。

 試合場面が見せ場になる。生きるのに精一杯な彼らはサッカーなどやったことがない。ないけれどしかし、彼らは負けない。窃盗やスリ等を成功させるためのサヴァイヴァル術が身体に沁み込み、思いがけずミラクルプレイを連発するのだ。技のイチイチがアクロバティックなもの。キャプテン翼も「少林サッカー」(01年)もびっくり仰天。これならばクリスティアーノ・ロナウドもリオネル・メッシも倒せるぜ。やったねベイビー。

 つまり漫画なのだ。現実で辛い思いをしている彼らに目標を持つ喜びが溢れる。テレビに映ったら親が気づいてくれるかもしれないという健気さをエンジンに、彼らは懸命だ。夢の実現のためには魔法が必要ということだろう。子どもたちは魔法のかけられたフィールドを伸び伸び走り回る。なぜだかジャン=ピエール・ジュネ映画のような色合いも悪くない。

 ただ、魔法が使える場所は限定するべきだった。作り手は欲張りなことに、物語全体にそれを振りかける。交通事故から始まる恋。誤解と嘘の積み重ね。強豪チーム監督の暴走。とりわけチームの監督を務める、主人公と言うべき男の造形が、適当を魔法と言い包める作法でなされているのが拙い。ほとんどギャグ漫画の世界の突入する。

 男を演じるコンスタンティン・ハベンスキーは相変わらず田中康夫元長野県知事を思わせる。ちょいと「ハリー・ポッター」シリーズのしもべ妖精ドビーも入ってきた。残念ながら愛嬌がない。子どもたちを騙すという役柄の卑しさを、愛らしく見せられていない。教職に就いていることも、作家志望であることも、まるで活かされない演出のせいもある。「人生には後半なんかない」というセリフも使い捨て。どういうことだろう。ミラ・ジョヴォヴィッチが惚れるわけ、ないだろう。

 そう、ヒロインはジョヴォヴィッチだ。ルーツのあるロシア(正確にはウクライナ)に戻った彼女を眺められるのは数少ない収穫と言える。ロシア語が新鮮だし、歌声も聴けちゃう。それに笑顔が多い。多分ほとんど素に近いのではないか。どうせ魔法が安いなら、強引にジョヴォヴィッチを出ずっぱりにして欲しかったところだ。





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