フェイシズ

フェイシズ “Faces in the Crowd”

監督:ジュリアン・マニャ

出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジュリアン・マクマホン、
   サラ・ウェイン・キャリーズ、マイケル・シャンクス、
   セバスチャン・ロバーツ、デヴィッド・アトラッキ、
   マリアンヌ・フェイスフル

評価:★




 「ブリンク 瞳が忘れない」(94年)を思い出す。同じく視覚障害を扱っているからだ。「ブリンク」のマデリン・ストウは角膜移植の後遺症で実際に見たものをその場で判断できず、しばらく経った後に認識することを強いられる。それに対して『フェイシズ』のミラ・ジョヴォヴィッチは、人の顔だけが認識できなくなる。誰かと対面する度、ころころその顔が変わっていくのだ。相貌失認と呼ぶらしい。恐ろしい障害だ。作り手も恐ろしいと踏んだらしい。スリラーとしてイケる!ところが…。

 ところがしかし、『フェイシズ』はスリラーというよりコメディの匂いの方が断然濃い。場面が切り替わる毎にヒロインには人の顔が違って見えるので、同じ役柄のために役者を大量に揃えなければならない。ちょっと目を離しただけで人の顔がシャッフル。エンドクレジットなんて、同じ役柄名に違う役者名がズラリ。

 もちろん観ている方は顔を覚えられない。これはある意味、ヒロインと同じ相貌失認を体験しているとも取れるのだけれど、同時に物語を把握するために、これは本当は誰なのか、頭を必要以上に捻るハメに…。それがあまりにも長々と続く。ゆえに段々バカバカしくなってきて、どうでも良いという投げた気分を誘発する。

 揃えられた役者たちが、一生芽が出そうにいない、特徴のない顔ばかりで失笑する。ここには役者の顔を眺める楽しみは皆無だ。

 殺人事件の犯人の顔を知っているヒロインには、会う男たちが皆、犯人に見える。この状況に打ち勝つには障害に慣れて、人の本当の姿を見分けなければならない。状況は極めて深刻。でも、恋人とセックスする度に顔が変わることを喜んだり、男たちの尻を眺めて判断しようとしたり、恋人に顔が分かると嘘をついてスリルを得たり、意外に愉しんでもいる。ヒロインに惚れた刑事も、障害を利用してお近づきになろうとする。催眠術を事件解決の足掛かりにするという遊びまで出てくる。

 ヒロインにはどういうわけだか刑事の顔はずっと同じに見える(本来の顔が分かる)。その理由が可笑しい。その前に声で判断できるだろうという突っ込みどころ以上に可笑しい。しかもこれが、クライマックスの伏線になっている。頭のネジが緩んだような設定に脱力必至だ。

 ジョヴォヴィッチは平凡な役柄だと途端に輝きが失せる。アニメーション的容姿はノーマルの敵。さっさとゾンビ退治に戻るが良い。いや、鏡に映るジョヴォヴィッチじゃない女優たちに較べたら、断然魅力的なのだけど…。





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