ブレイクアウト

ブレイクアウト “Trespass”

監督:ジョエル・シュマッカー

出演:ニコラス・ケイジ、ニコール・キッドマン、ベン・メンデルソーン、
   キャム・ギガンデット、リアナ・リベラト、ジョルダーナ・スパイロ、
   ダッシュ・ミホーク、エミリー・ミード、ニコ・トルトレッラ

評価:★




 作中、最もキマったセリフはニコラス・ケイジが口にする。妻と娘を人質に取られ、身体を痛めつけられ、事態を打開する策はない。言うことを聞かなければ、次の瞬間には死が待っているだろう。この状況下でケイジは、犯人一味からある書類を読むよう強要される。そのときのケイジの言葉。「メガネがないと読めねーよ!」。ケイジ、メガネを吹き飛ばされていたのだった。

 押し込み強盗に入られた家族を描く映画は結構ある。デヴィッド・フィンチャー監督の「パニック・ルーム」(02年)やミヒャエル・ハネケ監督の「ファニーゲーム」(97年)あたりが記憶に新しい。もしかしたら自分にも起こるかもしれないと思わせるところが、映画人の興味をそそるのだろうか。演出次第では「パニック・ルーム」のようなトリッキーなスリラーにも「ファニーゲーム」のような心理ドラマにもなる。『ブレイクアウト』はそのどちらとも違う。けれど、珍品には認定して良い。ケイジとニコール・キッドマンが主演しているのに!…だ。

 いちばん不思議なのは旨味たっぷりの豪邸が全く活かされないところだ。人気のない立地。広く入り組んだ迷路のような設計。工事中の部屋。多数設置された防犯カメラ。二重三重のセキュリティ。当然のようにあるプール。ほとんど森林なのではないかというくらいに大きな庭。嫌味を絵に描いたような大邸宅にはサスペンスの種になりそうなものがゴロゴロある。なのに、その一切が無視される。

 目が悪いのだろうか、ジョエル・シュマッカー監督は種にちっとも気づかない。シュマッカーは代わりにパワーゲームに打って出る。暴力の勢いで押し切るのだ。知恵なんてものはここには存在しない。銃を突きつけ、注射針で脅し、それがダメなら素手で血祭りだ!そう、犯人はどいつもこいつもあんぽんたんだ。

 シュマッカーはあんぽんたんにどうしてこんなにも寛容なのだろうと思ったら、どうやらそれは、家の者も犯人一味もそれぞれ秘密を抱えているところで相殺できるとフンだからのようだ。秘密をどんでん返しと呼ぶことに決めたらしい。事態が二転三転、誰が誰の味方なの?シュマッカーは得意気だけれど、秘密の底は極めて浅く、それを利用する賢さを持たない者ばかりなので、バカがバカを呼んでいるのようにしか見えぬ。

 何より衝撃的なのは、この映画にケイジとキッドマンが主演している事実。ケイジはまだ分かる。このところ出演作は駄作でほぼ統一されている。でも、キッドマンはどうなんだろう。ボトックス顔でヒステリックに泣き叫ぶばかりとはこれいかに。どれだけ甚振られても、まるで可哀想に思えないケイジとキッドマンに幸あれ。





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