ハングリー・ラビット

ハングリー・ラビット “Seeking Justice”

監督:ロジャー・ドナルドソン

出演:ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、
   ハロルド・ペリノー、ジェニファー・カーペンター、ザンダー・バークレイ

評価:★




 ある晩妻がレイプされ、夫は病院に駆けつける。痛々しく横たわる妻の姿を見て途方に暮れる夫に、見知らぬ男が声をかける。「犯人を代わりに殺してやる」。男は社会に野放しになっている凶悪犯や性犯罪者を処刑する、世直し組織のメンバーなのだ。それを受け入れた夫は半年後、今度は自分が殺しを強要される。

 何という無茶な設定。巨大であることが仄めかされるも、この簡単な説明だけで事足りる組織。細部描写を完全放棄して、「どうだ、俺たちに乗っからないか?」と語り掛けて満足しているのが、実にあんぽんたんだ。当然組織と関わりを持っちゃう夫もあんぽんたんなわけだけれど、演じているのがニコラス・ケイジだからシャレにならない。ただでさえアホ面(褒めている)のケイジが、あんぽんたんな組織に振り回される様、似合い過ぎだ。国語の高校教師という役柄は全く似合わないのに!まさかその罰でも受けているのか。「罰ゲームきついよ」という呟きが聞こえる。

 そんなわけで『ハングリー・ラビット』はあんぽんなんな映画だ。どうせアホならアホなりの背負い投げを見せれば良いのに、その勇気すらない。中盤は「俺、一体どうなっちゃうの?」と困った顔のケイジが映し出されるのみ。気がつけば警察に追われるハメになっている。

 どこかで見た光景なのは結局、代理殺人の怖ろしさが伝わらないからだ。ターゲットと全く接点のない者が、追いかけっこをするように人を殺めていく…という図式がアッという間に崩れて、精度の低い殺し合いに堕ちていく。二時間ドラマじゃないんだから、頼むよひとつ。

 真面目な話、ケイジでもっと遊べたなら、珍妙な味は出たかもしれない。「スネーク・アイズ」(97年)のようなハイテンションで、ケイジを暴れさせるのだ。「オマエも悪いだろう」という突っ込みは無視して、「なんだよ、チクショー。俺をハメようったって、そうは行かないぜ」と暴走させる。ハメたつもりのガイ・ピアース(スキンヘッドが変に気持ち良い)も口をあんぐり、唖然とするしかない。…というぐらいに。このところのケイジは、何をやってもB級の匂いを漂わせる。それを逆手に取るぐらいのしたたかさを見せないか。そしたら観客も「俺たちも乗ってやるよ」となる。…かもしれない。

 それにしても酷い脚本だ。死が偶然に頼っているものばかりだわ、主人公の調査能力が超能力になっているわ、その割りにミスばかりだわ。いちばん酷いのは、そこかしこに組織の人間を散りばめているところ。楽しいご都合主義ではない。怠慢な抜け道を作って喜んでいるだけ。ケイジがピアースを操ろうとする件は、何の目的があったのだろう。ただの時間延ばしか。そうなのか。やっぱりか。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ