ポルノ☆スターへの道

ポルノ☆スターへの道 “Bucky Larson: Born to Be a Star”

監督:トム・ブラディ

出演:ニック・スウォードン、クリスティーナ・リッチ、ドン・ジョンソン、
   スティーヴン・ドーフ、イドー・モセリ、ケヴィン・ニーロン、
   エドワード・ハーマン、マリアム・フリン、ジミー・ファロン

評価:★




 ポルノ業界を舞台にした映画というと、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ブギーナイツ」(97年)を思い出す。業界に生きる者たちのプライドが逞しく描かれた傑作だ。ポルノという人からからかわれがちな事柄により飯を食う人々に哀れみや嘲りの眼差しを向けることなく、人生を美しく謳い上げていた。『ポルノ☆スターへの道』はそのパロディにもならない。

 …なーんてことは最初から分かっている。大真面目に分析する者がいるとしたら、そちらの方が問題かもしれない。何しろ主人公の造形からしてふざけている。ニック・スウォードンが主人公バッキー・ラーソンを演じる。前歯がビーバーのように出ている。もちろん付け歯だ。するとこれがアダム・サンドラーに見えるからギョッとする。普通にしていれば全然似ていないスウォードンがサンドラーと化す。プロデューサー・脚本にサンドラーの名前があるのは偶然か。また、ヘアスタイルはおかっぱだ。連想するのは「ノーカントリー」(07年)のアントン・シガーだ。ハヴィエル・バルデムが演じた無慈悲な殺人マシーン。サンドラーでシガーなスウォードンが、バカを純粋と言い包めた役柄で笑いの爆弾を次々投下する。そしてその全てが不発に終わる。

 どういう類の笑いが落とされるのかというと…、例えば映画のオーディション場面。ポルノ映画ではなくCMのオーディションだというのに、ラーソンは突如パンツを下ろし、猛烈な勢いでアレをしこしこやり出すのだ。その醜悪さはバナナマン日村勇紀の芸を思わせるもものの、日村と違い愛嬌が全くないのがとんでもない。ただ、おぞましい。

 ラーソンの武器はアレだ。別にアレが大きいわけではない。その逆で、哀しいほどに小さい。ストローに入ってしまうくらいに小さい。それを逆手にとって売り出すラーソンが、なぜ人気ポルノスターへとのし上がるのか。観る方はラーソンに比べたらマシだと勇気を貰えるのだとさ。やっぱり、おぞましい。

 だらしないケツを晒すスウォードンより泣かせるのは、スティーヴン・ドーフとドン・ジョンソンのキャスティングだ。ドーフは正統派のトップポルノスター、ジョンソンは売れないポルノ映画監督を演じる。ドーフの傲慢な男根自慢、ジョンソンのチープなポルノ談義が…あぁ、なんだか似合い過ぎではないか。ただ一人いたってまともな役柄なのはクリスティーナ・リッチだけれど、作品がバカなので、結局哀れを誘う。この役の何に惹かれたんだー。

 唯一可笑しかったのは、暗闇でラーソンの前歯だけ光って見える画だろうか。冷静に考えると可笑しくも何ともないのだけれど、周辺の笑いと思しきものがことごとく滑っているので、その程度でも笑えたのかもしれない。そういう映画だ。





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