ソウル・サーファー

ソウル・サーファー “Soul Surfer”

監督:ショーン・マクナマラ

出演:アナソフィア・ロブ、デニス・クエイド、ヘレン・ハント、
   ロレイン・ニコルソン、キャリー・アンダーウッド、ロス・トーマス、
   クリス・ブロシュ、ソーニャ・バルモレス・チャン、
   ジェレミー・サンプター、クレイグ・T・ネルソン

評価:★★




 ベサニー・ハミルトンの精神力の強さには感服する。新進少女サーファーである彼女は、スポンサー契約目前。絶好調なある日、サメにボードごと左腕を食いちぎられる。生命の危機に直面するほどの重傷。普通に考えればサーファーとしての未来は諦めるところだ。しかし、彼女は見事復活を遂げる。たった13歳の少女がそれをやってのけるとは、アッパレと言う他ない。『ソウル・サーファー』は彼女の物語。ハワイの波を自分のものにする彼女の立派さを確認できる。ただし、映画自体はハリウッドの優しい波に溺れる寸前。

 ベサニーが悲痛な表情で泣き喚いて同情を誘うことがないのには大いに救われる。意外なほど彼女は冷静だ。涙も見せず、片腕の身体を受け入れ、海にすんなり還っていく。淡々とした振る舞いに大きな絶望と小さな希望が見える。血管には海水が流れ、海こそが我が家だと言ってのける、その強さよ。この強靭な軸を持った肉体をもっと信用した作りを選べたはずなのに…。

 はずなのにどういうわけだか、途中からキリスト教、神の存在が大きくせり出してくる。それに導かれるように彼女は、大津波に襲われたタイのプーケットへボランティアに趣く。そこでの活動が彼女を本当の意味で精神的な立ち直りへと向かわせる。背後には純真無垢な子どもたちの笑顔。世界中から激励の手紙。周囲の人々の心からのサポート。まことに結構なことだけれど(実際それに助けられた部分も大きいのだろうけれど)、善意塗れの物語の中で、これは作品の匂いを決定づける駄目押しになる。偽善とは言わない。しかし、相当胡散臭く匂う。

 それよりも見せるべきは、彼女の復活への試練とそのための練習風景だ。片腕を失ったのだ。日常生活も大変なのに、大自然が繰り出す波を捉まえ、不安定なボードの上で立ち上がるのだ。どんな知恵を使って乗り越えたのだろう。音楽に乗せて数カットで終わらせるところではない。いちばんの見せ場を精神論に譲るなんて、甘ったるい。

 だからなのか、波乗り場面は意外なほど力が感じられない。遠目で見ればスタント丸分かり。近くに寄ればスローモーション編集や視覚効果でごまかしていることが容易に伝わる。スポーツ映画の辛いところとは承知しつつ、もう少し見せ方の工夫が欲しかった。

 尤も、数々の欠点はベサニーを演じたアナソフィア・ロブのおかげで、最小限のダメージに食い止められている。きりりとした気の強そうな顔。若さが弾ける肉体。必死に身体を支える十代の心。ロブが伸び伸びとサーファーガールを楽しんでいる。せっかく水着を着ても色気を浮上させるほどに肉体的に成長していないのは残念だけれど、まあ、それは仕方がないところ。ヘレン・ハントのボディを長々見せられるよりはよっぽど良い。ちゅーかハント!しわだらけの顔がハワイの強い日差しを浴び続けている女として説得力たっぷりだ。太陽の光には要注意だと警告くれて、ありがとう。





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