ミッシング ID

ミッシング ID “Abduction”

監督:ジョン・シングルトン

出演:テイラー・ロートナー、リリー・コリンズ、アルフレッド・モリーナ、
   ジェイソン・アイザックス、マリア・ベロ、ミカエル・ニクヴィスト、
   シガーニー・ウィーヴァー、ティム・グリフィン

評価:★★★




 確かに「ボーン・アイデンティティー」(02年)を思わせるところがある。自分が誰なのか分からない状況下、正体不明の組織に狙われることになる主人公。「俺は誰だ?」という問い掛けを胸に抱き、少年は真実を求めて戦うことになる。しかし、だからと言って本格的なアクション・スリラーを想像すると、肩透かしを喰らうことになるだろう。『ミッシング ID』はそれよりも何よりも、テイラー・ロートナーを魅せるためのアイドル映画仕様になっている。

 どうやらハリウッドがロートナーに期待していることは間違いない。大金がかけられていることが分かる画。たっぷりのロケーション。ご機嫌なロックミュージックの数々。隅々まで揃えられた実力派俳優。これが初主演となるロートナーを、俺たちで盛り立ててやろうぜ。どこを切り取ってもやる気十分だ。

 その心意気が空回りしているというのが正直なところだ。しかし、それがヘタクソでも愛嬌となって画面に定着しているのが可笑しいではないか。無理のある設定だし、そもそもわざわざ事態を複雑にするところが強引だし、敵の動きは散漫だし、その割りに人は死に過ぎる。「走って逃げる」アクションばかりなのも反省するべきだろう。でも、思わず頑張ったで賞をあげたくなるえくぼが見えている。次から次へと場所移動。乗り物の種類は豊富。爆発は意味なく派手に。エキストラも大量動員お疲れ様。

 でもまあ結局、全編出ずっぱりのロートナー頼みだ。今回は狼に変身しないままに、自分の身体だけで勝負。作り手も承知なのだろう、ロートナーの肉体美を強調する画を積極的に採用している。無理矢理半裸にするわ、Tシャツは身体にぴったりフィットするものばかりだわ、二の腕の太さが目立つわ、レスリングユニフォームまで着せるわ、革ジャンを羽織ればモダンさが加味されるわ、バイクにまたがれば仮面ライダーみたいだわ…。

 しかし、最も感心するのは身体のバネだ。柔軟な動きというよりは、弾力性が感じられる動き。反った分以上に跳ね返る肉体。跳躍力が素晴らしく、しかも動きの一つひとつに重みがある。ロートナーはアクションスターを目指すべき…と言うか、アクションスターしか道がない。バネを有効活用して画面にスピードと活気を与えるのだ。

 とは言え、当然のようにロマンスエピソードも用意されている。列車の個室でのキスシーンには笑う。ロートナーがヘタっぴで。でも女は「昔より上手くなったわ」と褒めちゃう。あぁ、青春!女が個室から出て行った直後のロートナーの顔つきが良い。やってやったぜ!さすが俺!みたいな。ふたつしかないと思われたロートナーの表情パターンが増えた瞬間でもある。ちなみに、ふたりが一緒に走るショットも青春を感じさせる。愛し合う若者ふたりなら、どこだって青春。

 ロートナーの相手役を務めるのはリリー・コリンズだ。ジョーダナ・ブリュースターからゴツさを抜いたようなコリンズの最大の特徴はもちろん、あまりにも太い眉毛だ。ロートナーも立派な眉毛の持ち主だけれど、コリンズには負ける。ロートナーが身体で勝負するなら、コリンズは眉毛で勝負。物語上、何もしていない役の割りに存在感がある。使える眉毛ということなのだろう。





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