アデル ファラオと復活の秘薬

アデル ファラオと復活の秘薬 “The Extraordinary Adventures of Adèle Blanc-Sec”

監督:リュック・ベッソン

出演:ルイーズ・ブルゴワン、マチュー・アマルリック、ジル・ルルーシュ、
   ジャン=ポール・ルーヴ、フィリップ・ナオン、ニコラ・ジロー、
   ジャッキー・ネルセシアン、ムーサ・マースクリ

評価:★




 困った。『アデル ファラオと復活の秘薬』のつまらなさをどう言葉にすれば良いのだろうか。全く1911年に見えないオープニングから、まるで盛り上がらないクライマックスまで、欠伸を誘う退屈な場面しか出てこない。いくらリュック・ベッソン映画だと言っても、酷過ぎる。誰かベッソンに注意しろ。

 アレもコレもイチイチダメだけれど、最も罪深いのは、ヒロインのアデル・ブラン=セックを演じるルイーズ・ブルゴワンが全然魅力的に見えないことだろう。ほとんどないに等しい演技力云々については置いておいて(そもそも発声がなっていない)、スクリーン映えしない容姿なのが辛い。世界中の秘境に趣き秘宝を探し当てることを生業にしているジャーナリストを演じるには決定的にスケール感がなく、金のかかった映像の中であっち行ったりこっち行ったりチョコマカ動いているだけ。決してブサイクなわけではない。ぷっくりした唇と垂れ気味の目は面白い個性になりそうな気配もある。でも、話の真ん中に放り出して放置するだけのような演出の中では、それがユニークに浮かび上がるはずもなく、何と言うか、ニュースレポート中のTV番組にうっかり映り込んだ綺麗な通行人程度にしか見えない。大きな羽飾りのついた帽子を中心にした衣装にもすっかり負けている。

 エジプトの遺跡の中で繰り広げられるアドヴェンチャー(と呼ぶのは抵抗があるが)は、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、或いは「ハムナプトラ」シリーズを連想させる。そうか、ベッソンはフランス版冒険アクションを撮りたかったのかと閃いたのだけれど、これが誤りであることは早々に判明する。パリで翼竜が暴れ回る件は「ジュラシック・パーク」シリーズ、博物館に展示されているミイラが蘇る件は「ナイト ミュージアム」シリーズを思い出さずにはいられない。アデルが刑務所に入り込むためにあの手この手の変装を見せる件は「キューティーハニー」風だったりもする。なんだ、ベッソンは単純にヒット映画の良いところ取り作品を作りたかったのだ。何とも分かりやすいけれど、同時に何とも中途半端。いや、ベッソンらしいんだけど。

 アゴがハズレるほど驚くのは、こういったどこかで見た場面の数々が「コント用の演出」で装飾されている点だ。「コント風の演出」ではない。完全に「コント用の演出」なのがスゴイ。笑いの質、間の取り方、オチの入れ方…加藤茶や志村けんが出てこないのが不思議でならない完全コント。フランス人のコントってこんなにサムイのか。

 映画ってこんなにテキトーで良いのだろうか。いや、こんなにテキトーに作れるものなんだ、と感心するべきか。素人が30分で書いたような脚本をベースにして、大金をつぎ込んで遊んでいるだけ。ちなみにいちばんキョーレツだったのは、アデルが翼竜をロデオ風に乗りこなして暴れ回るシーンだ。何でもありってこういうことだ。どこまでもバカバカしく、笑っているのは作り手だけ。ベッソン映画ってコワイ。





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