ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン

ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン “Bridesmaids”

監督:ポール・フェイグ

出演:クリステン・ウィグ、マヤ・ルドルフ、ローズ・バーン、
   メリッサ・マッカーシー、ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ、
   エリー・ケンパー、クリス・オダウド、マット・ルーカス、
   ジル・クレイバーグ、マイケル・ヒッチコック、ミッチ・シルパ

評価:★★




 想像でしかないけれど、懐かしのウィルソン・フィリップスのデビュー曲「Hold On」の映像化を目指すところから、始まったのではないか。クライマックスではご本人たちも登場して盛り上げる(チャイナ・フィリップスがキツめの顔に変わっていて、軽くショック)。冴えない人生。でもそれを他人のせいにしていてはいけない。自分の人生を変えられるのは自分だけ。あと一日頑張りなさい。そうすればきっと上手くいく。爽やかなサウンドに乗せて前向きな言葉が綴られた「Hold On」。そこに親友の結婚話が絡む。これだけだと春風が似合いそうな映画かと早とちりしそうだ。言うまでもなく、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』はそんな作品ではない。何しろプロデューサーにジャド・アパトウの名前がある。

 アパトウ映画と言ったら、愚かで下品というのが当たり前だ。右は底抜けのバカに、左は汚らしい下ネタに振り切れる。それでいて温もりが感じられる。人間の底の浅さを笑い飛ばしながら、しかし人情というものを信じている。この映画も例に漏れない。女版「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(09年)という声も聞かれるけれど、それよりもやっぱりアパトウ印が濃い。そして、アパトウ映画を女だらけで作ったのがミソだ。

 昭和のアイドルじゃあるまいし、女はいつだって慎ましく清らか、なんて思っている者はいない。事実でもある。排泄はするし、泥酔するし、性欲も男と同じくらいに持っている。そこのところを映像としてあからさまに突きつけた笑いが武器だ。女のそういうところを見たいかと聞かれたならば、大半の男は見たくないと思うだろう。だが、女はそんな男の臆病さなど気にしない。ある意味、ホラーでもある。呆れて呆れて、やっぱり呆れる。

 大きな三つの爆弾が落とされる。ブライズメイズのドレスの試着場面での嘔吐物・排泄物塗れの惨劇。飛行機内での酔っ払いの暴走。婚前パーティでの女の本音爆発の混乱。女だって人間。ちょいと緊張を緩めればこんなものなのだろう。…と呆れつつ、その愚かさが妙に憎めない。

 ただ、男たちが同じことをやると浮上する軽快さが足りないのは、苦しいところだ。おそらくそれは女の皮下脂肪によるところが大きい。下半身を中心にこびりついたそれが、画面に少しずつ重みを与えていく。パッと見た感じは気にならない。しかし、ずっと眺めていると、いつしかちゃんとした重みとして感じられるのだ。皮下脂肪自体は仕方がない。しかし、それを承知の上で画面作りを工夫する必要があったのではないか。

 何しろこれはアパトウ映画、軽快さがないと、特有のしつこさが煩く感じられ、物語の冗長さを誘う。例えば、クリステン・ウィグとローズ・バーンが結婚するマヤ・ルドルフをめぐり、大勢が集まる中で自分こそが一番の親友だとスピーチ合戦をする件。大抵の映画なら早々に切り上げるところを、これ以上ないというくらいにしつこく畳み掛ける。この場面が可笑しくて、でも同時にゾッとしてしまうのは、画面から次第に跳ねた魅力が失せていくからだろう。しつこさは全編に渡って見られる。繰り返されるとつい、またかと思ってしまう。

 ブライズメイズとして集まった面々の立場がヴァリエーションに富んでいるのは面白いのに、それが物語にほとんど影響を与えないのは残念だ。花嫁の親友。花婿の上司の妻。花婿の妹。花嫁の従妹や職場の同僚。立場が違えば、当然笑いの質も変わるものだと思うのだけれど、そのあたりは古くからの同級生のノリとして処理される。

 ところで…この映画を観た女たちは、登場人物の誰かに共感するのだろうか。同じ痛い女なら「ヤング≒アダルト」(11年)の方が切迫感があった。結局はファンタジーとしてまとめられるところに限界がちらつく。





blogram投票ボタン

ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ