メガマインド

メガマインド “Megamind”

監督:トム・マクグラス

声の出演:ウィル・フェレル、ティナ・フェイ、ジョナ・ヒル、
   デヴィッド・クロス、ブラッド・ピット、ベン・スティラー、
   ジャスティン・セロー、ジェシカ・シュルテ、J・K・シモンズ

評価:★★★




 まず、タイトルにもなっている主人公メガマインドのデザインが良い。パッと見た感じはピッコロ大魔王をちっこくした印象。ただ、筋肉質なそれとは違って、優雅な空気をまとっている。顔の半分以上を占める大きな頭。オシャレに見えなくもないアゴひげ。長く細い手足。そして、アジュールブルーの肌の色。全体のバランスが優れていて、大袈裟なケープが似合うのもなかなか。エレガントな味わいを考えると、ティム・バートン映画に出てきてもおかしくない。

 『メガマインド』はドリームワークス映画だ。ドリームワークスが作るアニメーションは、ディズニーのそれとは斬り込み方が異なる。ディズニーが道徳の本にでも出てきそうな正攻法の教訓話を貫くのに対し、ドリームワークスはそこにくっついている偽善を見逃さない。多くの人が見逃すであろうそれを凝視することで、物事の本質を突いてくる。ここで重要なのは、それでいて浮かび上がるメッセージが、まともだということだ。着地点はディズニーと変わらない。捻りの効かせ方こそがドリームワークスの腕の見せ所ということだ。そういう意味で、この映画、いかにもドリームワークス映画。

 ヒーロー映画がからかわれる。誰もが知っているスーパーマンのパロディを散りばめながら、ヒーローの在り方を見つめている。メトロシティと呼ばれるどこかの街が舞台。そこにはメトロマンなるヒーローがいて、日夜正義のために闘っている。その宿敵こそがメガマインドであり、主人公だ。凡庸なフィルムメイカーならふたりを対比させることに固執するところだけれど、ここではそんな野暮なことはなされない。

 メトロマンがあっさり死んでしまうのだ。メガマインドにはそんなつもりがなかったのに、思いがけずメトロマン死す。しかもメガマインドは、お調子こいて悪の限りを尽くすのではなく、ライヴァルがいなくなったことで張り合いをなくし、塞ぎがちになってしまうのだ。その打開策として、自ら新しいヒーローを作り上げるのが可笑しい。さらにドリームワークスらしいのは、この新ヒーローがパワーを手にしたことで悪の道に走ってしまうところで、メガマインドはそれを食い止めるべく、今度は自分がヒーローになってしまう。この二重三重の捻りが極めて効果的に効いているため、大人の鑑賞に耐え得るものになっていると言って良い。

 メガマインドの姿を見ながら考えるのは正義とは何か、そして赦しの意義はどこにあるのかということだ。よく「勝った方が正義」というフレーズを耳にするけれど、その危うさを、ヒーロー映画の外観を借りながら炙り出していくところがミソだ。好みとしてはメガマインドが正義のヒーローとして戦った後の展開にも捻りが欲しかった。まあ、高いレヴェルでの不満。

 話は前後する。序盤に描かれるメトロマンの幼少期描写からして冴えている。ある意味、幼馴染なメトロマンとメガマインド。当然のことながら、メトロマンの方が「良い子」として描かれる。確かにちびっこメトロマンの立ち振る舞いは「良い子」のそれだ。ただ、良い子は良い子でも「要領の良い子」の匂いも漂わせている。これは鋭い。だってほら、ホント、世間が「良い子」だと可愛がっている子どもの大半は…。見抜けない大人たちが「良い子」を増長させることに気づくべきだ。





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