ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣

ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣 “Your Highness”

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演:ダニー・マクブライド、ジェームズ・フランコ、ナタリー・ポートマン、
   ゾーイ・デシャネル、ジャスティン・セロー、トビー・ジョーンズ、
   ダミアン・ルイス、チャールズ・ダンス、ラスムス・ハーディカー

評価:★★




 ファーストシーンは主人公が処刑されようとしているところだ。一見危機一髪の状況のようだけれど、その罪は淫行である。しかも顔はブサイクだ。体型はデブと言える。口からは下ネタばかりが飛び出し、かつ卑屈な性格ときたもんだ。トドメにダニー・マクブライドが演じている。もちろんコメディになる。いや、コメディじゃなければ、ウソだろう。

 近年はバカ映画が量産されている。いや、ずっと前からバカ映画は存在していたのだけど、その大半は大真面目な姿勢ゆえ、その不器用さゆえ、思いがけずバカに近づいてしまったというタイプのバカ映画だった。最近のバカ映画は、確信犯的にバカを狙ってくる。「ここまでバカになっちゃいますよ。どうぞ観ているあなたもバカになって楽しみましょう」みたいな。その際は「いや、ホントは俺たち、賢いんですけどね」という注釈が漏れなくついてくる。意思に反してバカになるのは敬遠されるのだ。

 そんなわけで『ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣』は見るからにバカな画面、バカなエピソード、バカな演技で作られている。美術はハリボテにしか見えないわ、視覚効果はチープだわ、バケモノは着ぐるみ丸出しだわ、頼みもしないのにオヤジの尻を見せられるわ、ジェームズ・フランコがタイツを履いてもっこりを強調するわ、無駄に筋肉美をアピールするわ、歌っちゃって音痴を曝け出すわ、ナタリー・ポートマンがTバックで生尻を見せるわ、でもボディダブルっぽいわ、アクションはスタントであることがあからさまだわ、人が死ぬ場面だけはやたら装飾過多だわ…。そんなんばかりだから、主人公の下品さも案外目立たない。さらりと見られる。スターたちはわざと大根に演じて(ポートマンはわざと本気モード)、ご苦労なこと。全て狙い通りだろう。

 ただ、狙ったバカはうまく魅せないとかえって白けるものだということに、もっと敏感になるべきだったのではないか。バカをまとめ、バカにスタイルを与え、バカを単なるバカに見せない工夫が必要になる。デヴィッド・ゴードン・グリーン監督の前作「スモーキング・ハイ」(08年)には確かに工夫があった。大量に詰め込まれた無駄話の装飾が緻密になされていたではないか。この映画ではバカがバカのまま提示されるだけだ。工夫のないバカ映画は、テレビのコント番組となんら変わらない。物語をロールプレイングゲーム風に見せるだけじゃ、全然ダメ。

 「スモーキング・ハイ」ではセス・ローゲンの主演も大きかった。パッと見た感じは、下品なデブでしかないのに、動きと喋りがつくと、途端に愛嬌が輝き出す。マクブライドは同じく下品なデブで、しかしそこからイメージが動かない。人を引き付けるチャームに乏しい。脇にいてくれる分には問題ない。刺激剤になる。しかし、物語の真ん中に出てこられると、ホントにただの下品なデブ。困った。

 狙ったバカは難しい。バカが嫌味に見えたり、バカの狙いが鬱陶しかったり…。それならば、天然のバカの方に惹かれてしまう。うん、狙ったバカは難しい。この映画が教えてくれる唯一のことだ。





blogram投票ボタン

ブログパーツ

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ