タイタンの逆襲

タイタンの逆襲 “Wrath of the Titans”

監督:ジョナサン・リーベスマン

出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、
   ダニー・ヒューストン、エドガー・ラミレス、ロザムンド・パイク、
   ビル・ナイ、トビー・ケベル、ジョン・ベル

評価:★★




 よくよく考えてみると、ギリシャ神話には突っ込みどころが多い。神々の王であるゼウスは彼方此方に子どもを作る女たらしだし、ゼウスやハデス、ポセイドンの父親であるクロノスは子どもたちを喰ってしまうほどにとんでもない巨神。天上界のみならず、人間界をも巻き込んだ暴走の数々は、ハリウッドのメロドラマもびっくり。神話ゆえにロマンティックに感じられるところも多いけれど、ひょっとして人気の秘密は暴走の方にあるのだろうか。「タイタンの戦い」(10年)、そして『タイタンの逆襲』はその突っ込みどころに目をつけたシリーズなのかもしれない。

 ただこのシリーズは、神話のおかしみを大々的に取り上げながら、語り口は大真面目だ。兄弟や親子という血縁関係にある者たちが善悪に分かれ、愛憎の炎を燃やし、終いには生死の絡んだ争いを発展させていく。シェイクスピア劇に対抗意識でもあるのだろうか。リーアム・ニーソンやレイフ・ファインズが神々に配役されているところを見ても、作り手の本気が伝わる。本気なのは作り手だけで、観ている方は「こんなに暴走させて、神々が機嫌を損ねないだろうか」なんて心配してしまうのだけど。

 だって結局のところ、このシリーズの見せ場はアクションだ。ギリシャ神話に出てくる伝説の生き物との戦いを物語全体に散りばめることで、分かりやすく抑揚をつけている。キメラやミノタウロスが襲い掛かる。ペルセウスが血だらけになりながら応戦する。ほとんどゲーム感覚。刺客はCGで表現される。いちばん金がかけられているところだ。暴走させなければ損だ。頭に思い描いていた架空の生物が出てくるだけで、ギリシャ神話好きは喜ぶだろう。酷く明快な理論。もちろんここに、神話への敬意はない。

 最後に待ち構えるボスは、大地の神クロノスだ。全長何メートルなのか、とにかく巨大なクロノスはほとんど怪獣と化している。神の気配、一切なし。こいつがゼウスやハデスの父親なのかと思うと、なんだか申し訳ない気分になるのはなぜか。どうせやるなら思い切った表現を選んだ方が良い。そうフンだに違いない。いや、これはこれでありだと思うけれど、そうすると人間の肉体が無視されたアクションがメインになってしまうわけで、それはやっぱり不幸なことだと思うのだ。3D映像になっているものの、背景からの浮き具合が、昔の視覚効果みたいに合成風に見えるのもどうか。

 最も胸躍るのはペルセウスとアレスの対決だ。アレスはゼウスの息子で、つまりは兄弟対決になる。ペルセウスはサム・ワーシントン、アレスはエドガー・ラミレスが演じているので、この対決ではちゃんと肉体と肉体がぶつかり合うのだ。肉弾戦そのものは昨今のハリウッド映画らしく、寄り過ぎた撮影とズタズタの編集により全然感心しないものの、それでも生身の身体が動く安心感は得られる。

 ところで、ワーシントンはなぜ髪の毛を伸ばしたのか。天然パーマなのかチリチリで、中途半端に漁師風。アンタはボーズで良いの。色気を意識して、かえって都会に憧れる田舎者みたい。そんなんじゃ、息子もチャラチャラ男になっちゃうぜ。アクションと戦闘服がまるで似合わないロザムンド・パイクと一緒に、反省するが良い。





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