マンイーター

マンイーター “Rogue”

監督:グレッグ・マクリーン

出演:ラダ・ミッチェル、マイケル・ヴァルタン、サム・ワーシントン、
   バリー・オットー、ミア・ワシコウスカ、キャロライン・ブレイジャー、
   スティーヴン・カリー、ジョン・ジャラット、ヘザー・ミッチェル

評価:★★★




 「ジャングルクルーズ」の映画化ではない。けれど『マンイーター』の舞台は、オーストラリアの山奥深くにある世界遺産、カカドゥ国立公園内、岩壁と森に囲まれた川の上だ。いや、川と言うより沼と言った方がしっくりくるか。そこをクルーズ観光する人々が遭遇するのはワニだ。それも巨大ワニだ。かくして彼らは、フック船長並の恐怖に襲われる。怖いよ、ワニ!

 人間が獰猛な生物に襲われる映画は、星の数ほど作られてきた。クジラにサメ、ヘビにピラニア。イノシシなんてのもあった。究極は恐竜だ。獰猛性も大きさもすばしっこさも、恐竜はレヴェルが違う。…となると、ワニはちょいとどころか、相当にスケールダウンだ。ワニ、恐竜に完敗だ。残念だよ、ワニ!

 だから作り手も、その辺は承知の上での製作のはずだ。題材に新味がないのなら、知恵を絞って勝負するしかない。何とかしてワニを恐竜に匹敵するバケモノとして描き出すのだ。ワニがワニのままに見えるだけではつまらない。恐竜を喰っちまえ。頑張るんだ、ワニ!

 最も気を遣われているのは構図だ。なかなか姿を映さないところから始まり、真正面から、或いは背後から…とただ映すだけではなく、インパクトのある思い切った構図が積極的に選ばれている。水の中をするすると泳ぐショットも目に焼きつく。色んな角度から撮って貰えて良かったね、ワニ!

 しかし、より効果的なのは音を丁寧に掬い上げているところだ。ワニが見えないときでも一定の緊張感が敷かれているのは、いつ襲われるか分からない恐怖を音で魅せているためだ。音楽を流すのではなく、ジャングルの奥地の囁きを切り取る。とりわけ水の音が緊張を高める。ぬめりのある水の流れが、ワニの歌声に聞こえる。美声だよ、ワニ!

 もちろんパニック映画の定番のツボは押さえられている。冒頭で襲われる一団を手際良くスケッチし、次に不穏な空気を炙り出す。いよいよワニによる人間狩りが始まってからは、油断をさせておいてから突然脅かすという定石が守られる。ベタだよ、ワニ!

 ただ、死んでいく順番は予想できないか。バカや調和を乱す者から…というルールは当てはまらない。それは結構なのだけど、せっかくの大人数が活かされないのは無念だ。意外に喰われる者が少ない。一番喰われて欲しくなかったのが喰われちまうしさ。考えてくれよ、ワニ!





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