エルム街の悪夢

エルム街の悪夢 “A Nightmare on Elm Street”

監督:サミュエル・ベイヤー

出演:ジャッキー・アール・ヘイリー、カイル・ガルナー、
   ルーニー・マーラ、ケイティ・キャシディ、トーマス・デッカー、
   ケラン・ラッツ、クランシー・ブラウン、コニー・ブリットン、
   リア・モーテンセン、クリスチャン・ストールティ

評価:★★★




 ホラー映画界の二大アイドルと言ったらジェイソンとフレディである。「ジェイソン vs フレディ」(03年)が作られたくらいにライヴァル扱いされるふたりだけれど、ファッション性では断然フレディ・クルーガーが勝っている。新たに仕切り直しされた『エルム街の悪夢』においても、ファッショナブルなフレディのスタイルこそが最も印象的だ。焼きただれた顔。インディ・ジョーンズもかぶっているフェドーラ帽。鉄の鉤爪のついた右手。そして赤と緑の入った縞のセーター。夢の中を棲息地とする彼は、いつ何時も優雅さを忘れず、一人また一人とターゲットを殺っていく。斧を振り回してばかりのフレディとはわけが違う。外見を気にする男なのだ。余談になるけれど、同じくらいオシャレなホラーアイコンは「チャイルド・プレイ」(88年)のチャッキーだと思う。

 この映画は所謂リブート版というヤツで、殺人鬼フレディ・クルーガー誕生の謎を解き明かしたものになっている。そう言えば、フレディがどのようにして生まれたのかは全然記憶にない。おそらく大半の人がそうだろう。アイコンとしてのフレディが一人歩きしているのが現状で、そこのところに目をつけるあたり、なかなか作り手は商売上手(そう言えばジェイソンもリブート版が作られたばかりだ)。…なんて呑気に眺めていたら、誕生の裏側にフレディが性的問題を抱えていたことが紹介されてちょっと驚いた。それで演じるのがジャッキー・アール・ヘイリーなのか。偶然か。どっちでもいいか。

 フレディは殺し方もなかなか凝っている。夢の中で殺戮を繰り返す人だから、自在に夢を操ってジリジリとターゲットを追い詰めていく。燃えるイメージをベースに、ダイナーやら寝室やら留置所やらプールやら浴槽やらに次々登場。最新の映像技術を使って悪夢的迷宮が表現されていく。最もカッコ良かったのはフレディが雪を降らせる場面だ。青い月明かりの下に降る雪が何ともロマンティックで、ふむ、どうせ殺されるならこんな風に演出されたい。

 …というように、フレディはとにかくその設定が秀逸だと分かる。ホラーアイコンの名に恥じない作り込みだ。ただ、フレディの楽しさとは逆に、話の構成力は大いに問題があるだろう。一人ずつ規則正しく犠牲者が積み重なっていくのは、悪い意味で行儀が良過ぎる。結局フレディの謎を明かすだけで終わる展開も芸が感じられない。大人たちの存在も捻りがない。フレディの殺戮場面に全力を注ぎ、その他の部分が疎かになってしまったのだろうか。ホラー映画でお馴染みのセックス場面やユーモアの一切が排除されているのも、ちょっと寂しい(いや、これはわざとなんだろうけど)。

 そうそう、ターゲットになる若手俳優たちが誰かのそっくりさん風だったのが、なかなか楽しかった。ケラン・ラッツはライアン・フィリップを鋭く逞しくした感じだし、ケイティ・キャシディはブレイク・ライヴリー風。トーマス・デッカーはケイシー・アフレックのナイーブさを引き継ぎ、ルーニー・マーラはほとんどエミリー・ブラント。カイル・ガルナーのみオリジナルな外見で、でもそれがちょっと惜しいくらいだ。





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