シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム

シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム “Sherlock Holmes: A Game of Shadows”

監督:ガイ・リッチー

出演:ロバート・ダウニー・ジュニア、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、
   レイチェル・マクアダムス、ジャレッド・ハリス、スティーヴン・フライ、
   エディ・マーサン、ケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ

評価:★★




 やっぱりロバート・ダウニー・ジュニアとジュード・ロウの相性は抜群だ。ふたりがシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンに扮する、このアイデアだけでどんな退屈な画面でも何とか持ってしまうのだから。ガイ・リッチーもそれに気づいたのか、ふたりのコンビネーションに寄りかかっている。と言うか、もはやふたりが恋愛関係にあるような見せ方を選んでいる(新加入のノオミ・ラパスには全く力が入れられていない)。ただ、こういうのはあからさまにやられると、妙に冷めてしまうものだ。リッチーがホームズとワトソンの間に流れる微妙な空気を意識すればするほど、それがバカらしく映る。ダウニーとロウの掛け合いを楽しみながら、次第に残念な気分に気づく。

 でもまあ、ホームズとワトソンの関係に恋愛要素を持ち込まなくても、残念な気分は避けられないだろう。リッチーの演出はいよいよ救いがない。ジッとしていられない子どものように、動いていないと気が済まない性分らしい。あまりの落ち着きのなさに、注意深く観察したところ、画面が静止状態を保てているのはせいぜい20秒だった。

 編集は本当に大切だ。どんなに他の要素が優れていても、編集にズタズタにされてはそれを味わうことは不可能。衣装や美術を堪能する暇はない。物語に集中もできない。そして、つくづく気の毒に思うのは撮影だ。フィリップ・ルースロという力のある人が手掛けているというのに、ダイナミックな映像はどこにも見当たらない。それも全て、編集が映像により細切れにされてしまったからだ。リッチーと働くことを技術系の方々はどう思っているのだろう。

 ところで、リッチーはホームズがホームズである理由を忘れている。ホームズは天才的な観察能力とそこから導き出す圧倒的な推理力により、謎を次々解き明かす名探偵だ。それなのに、あぁ、推理要素はどこに行ってしまったのか。ダウニーのホームズが使うのは推理力ではない。超能力だ。宿敵ジェームズ・モリアーティの行動を超能力を使って、読む、読む、読む!これはアクション・コメディの要素を強くした推理映画ではない。アクション・コメディに僅かな推理要素を振りかけたシャーロック・ホームズ風映画だ。

 それでも心躍る場面はある。クライマックスのホームズとモリアーティがチェスを楽しみながら対決する場面だ。ダウニーとジャレッド・ハリスが互いの弱みを探り、それぞれが罠を仕掛け、最後には自分が笑うと頭脳戦を繰り広げる。頭が良い者同士…というより力のある俳優同士の激突が楽しい。身体をせわしなく動かすことなく、しかし心の中で激しい衝突を繰り返し、遂に決着のときを迎える。こういうのをもっと話に盛り込んで欲しかった。

 それから、ひいきにしているダウニーではあるけれど、無精髭が汚らしく見えるのにはマイッた。ワイルドな部分を強調したかったのだろうか。どの場面も髭が手入れされないままに映し出され、その度にそれが気になって仕方がない。メイキャップもリッチーの指示なのか。そうなのか。どうなんだ。もうどうだっていいか。やけくそ気分を余儀なくされる『シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム』なのだった。





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