グッド・ドクター 禁断のカルテ

グッド・ドクター 禁断のカルテ “The Good Doctor”

監督:ランス・デイリー

出演:オーランド・ブルーム、ライリー・キーオ、J・K・シモンズ、
   タラジ・P・ヘンソン、マイケル・ペーニャ、ロブ・モロー、
   トロイ・ガリティ、モリー・プライス、ウェイド・ウィリアムス

評価:★




 困った。オーランド・ブルームのキャリアの底が見えてこない。「ロード・オブ・ザ・リング」(01年)で美しいエルフとして颯爽と登場したブルームにかけられた魔法は、「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」(02年)をピークに急速に解けていく。いや、解けるのは構わない。どんな魔法もいつかは解けるものだ。しかし、解けた後こそ「俳優」の力の見せ所、新しい表情を身につけていくものだろうに、ブルームはエルフの美貌に寄りかかることしかしなかった。ブルームがブルームのまま輝けたのは「エリザベスタウン」(05年)までだったと思う。そうして彼は特定のイメージに囚われていく。

 器の小さな男。これこそが今現在のブルームにこびりついたイメージだ。「シンパシー・オブ・デリシャス」(10年)のロックシンガーも「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」(11年)の小悪党もそうだった。そして『グッド・ドクター 禁断のカルテ』の技量の伴わない研修医は、その集大成的役柄と言って良い。

 自分の力を過信しているのか。それとも単なるあんぽんたんなのか。多分前者として見せたかったのに、後者にしか見せられなかったというのが現実だろう。仕事でミスしてソワソワ。患者に恋してモゾモゾ。取り返しのつかないことをしてしまってイライラ。更なる愚行を積み重ねてドキドキ…。浮かび上がるのは「せこい」という言葉だ。

 鏡に映った自分にキス。ベッドルームの写真立てから写真を盗む。高校生に嫉妬。合わない看護師に対する態度は子どもそのもの。その生き様は常にせこい。いつでも自分中心。それを大胆不敵にやってのけるのなら、まだいい。問題はそれを人間らしさだと勘違いして、自信たっぷりに見せていくところだ。いや、せこいだけだから。器が小さいだけだから。その上、器が割れちゃってるから。ブルームの美しくないヒゲ剃り跡、ロボットのようにぎこちない動き、奥さんに適当にカットしてもらいました風ヘアスタイル、口を半開きにするワンパターンが、それを否が応でも強調する。

 多分狙いとしては、「コレクター」(65年)のテレンス・スタンプ的な変態にあったのではないかと思う。じわじわと毛穴から沁み込んでくるような変態。ただ、演出も役者もそれに見合ったものが揃えられていないのだろう。ひたすらに愚かしさばかりが画面に定着していくのだ。野心や恋愛感情も、ここでは何の意味もなさない。

 ブルームに目をつけられる少女を演じるライリー・キーオは、あのエルヴィス・プレスリーの孫なのだという。全然似ていない。再ブレイクする前のドリュー・バリモア、或いはアリシア・シルヴァーストーンをを思わせるふくよかさがあり、全体の印象はクリステン・スチュワート風だ。そして目だけはなぜか、スーザン・サランドンそっくりだ。無意味に顔のアップが沢山撮られている映画なので、当然キーオのアップも多い。ブルームのアップよりも迫力があったことは間違いない。





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